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そして、ねずみ女房は星を見た

小学校のときから、中学、高校、大学と、だれかしら図書室友だちがいました。
図書室でいっしょになることが多くて、本の話は大いに盛り上がるけれど、
いつもつるんでいるわけではなくて、教室ではつかずはなれずの関係。
「あの本読んだ?おもしろかったよ」とか、「あれはいまいちだった」とか。
そんな友だちは学生時代は必ず一人はいたのに、今まわりを見回してみると、いないかも・・・
大人になると読書の幅も広がって、なかなか本の趣味が合う人って見つかりません。
殊に、わたしみたいに大人になっても子どもの本を読みあさっている人は、身近にはいません。
だから、こんな本に出会うとうれしくなります。

そして、ねずみ女房は星を見た〈大人が読みたい子どもの本〉

『そして、ねずみ女房は星を見た』
清水眞砂子=著 テン・ブックス


『ゲド戦記』の翻訳で知られる清水眞砂子さんが、13冊の児童文学を紹介しています。
どの本に関しても、ただのあらすじではなく、
その文章に清水さんならではの感性がにじみ出ていたり、
本に対する思いや、愛情が感じられたりして、
紹介されている本が読みたくなるだけでなく、この本自体もとても楽しんで読みました。
昨日紹介した末盛千枝子さんの『人生に大切なことは・・・』もそうですが、
“本”に関する本は、著者に魅力があると、読んでいて楽しさが増しますね。

読まれる前の本はだれにとっても同じモノに感じられるけれど、
それがひとたび開かれ読まれると、読者の性格や、その時の心のあり様や、
年齢や、環境によってとらえ方がまったく違います。
わたしはこう感じたけれどこの人はこんなふうに感じるんだとか、そういう読み方もあるのかとか。
だから本の話をしたり、本を紹介されたりするのっておもしろいのだと思います。


清水さんはこれまでの人生で心が萎え、投げ出しそうになった時、
それを押しとどめてくれたものの一つとして、子どもの文学の存在が大きかったと述べています。

 -私はさまざまな物語をとおして、人間を計るものさしも
   「いま、ここ」を計るものがすべてではないということを知ったのだと思います。
   もうひとつ、子どもの文学が私に小さいときから伝え続けてくれたこと、
   それは、人生は生きるに値するということ。
   子どもの言葉で言えば、大きくなるって素敵なこと、ということでした。  (まえがきより)


優れた子どもの本の中には、生きていく知恵や力みたいなものが詰まっているのかもしれません。

そして、こうも言っています。
年齢を重ねれば重ねるほどに、子どもの文学がおもしろく読めるようになったと。
年をとるのがたのしみになりそうな言葉でしょ。





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 たとえば・・・
 ● うきうきした春の気分にぴったりの絵本は?
 ● ガハハと笑っちゃう絵本は?
 ● 昔読んだ本を探して         などなど 
 
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by kangaroo-books | 2010-05-06 11:00 | 【子どもと絵本を知る】本棚


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