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「わらべうた」で子育て 

おちびさんがうちにやってきてから、わたしは歌ってばかりいます。
わらべうたや子守唄、童謡、鼻歌、でたらめな替え歌、
はたまた即興のオリジナルソングまでなんでもあり。
彼女がご機嫌な時も、泣いている時も、怒っている時も、
眠っている時も、ほとんど無意識に歌が口をついて出ます。
どうやらそれはわたしだけではない模様。
日頃からよく歌う母、子煩悩なだんなさんはもちろんのこと、
型物の父が歌うようにおちびさんに語りかけている姿を見た時には驚きました。
「童ァ、生まれるずど、その家さ、馬鹿ァ三人出る」
今日紹介する本の中にこんな言葉を見つけましたが、まさにそのとおり。
これは岩手県の遠野のことわざで、家に赤ちゃんが生まれて、
大の大人がなりふりかまわずに歌って遊んでやる様子を表したものだそうです。


「わらべうた」で子育て 入門編

『「わらべうた」で子育て 入門編』
阿部ヤヱ 平野恵理子=絵
福音館書店


この本は図書館に勤めている時に、何度もお世話なりました。
お母さん方を対象にしたわらべうた講座を催す前には必ず読みました。
わらべうたの遊び方も載っていますが、
そのわらべうたにどんな思いや、先人の知恵がこめられているのか、
わらべうたの動きや言葉が、赤ちゃんの心と体の発達とどう関係しているのか、
といったことが丁寧に語られています。
発達との関係なんていうと早期教育のようですが、
わらべうたの一番の醍醐味は親子で楽しむこと。
阿部さんの語り口は優しく、説得力があり、それがとても自然に伝わってきます。
そして、すぐにでも赤ちゃんとわらべうたで遊んでみたくなるのです。
お母さん達にこんなふうにお話ができたらなぁという思いで、いつも読んでいました。
長年わらべうたの伝承に携わってこられた阿部さんのように語るのは
もちろん無理ですが、この本にはたくさんのヒントをもらいました。

仕事を辞めて、今度は自分が子どもを持って、改めて読み返してみました。
すると、仕事を意識して読んでいた時よりもずっとたくさんのヒントを
見つけることができました。“子育てのヒント”です。
例えば・・・うちのおちびさんはこの頃「ンコー」と声を出すようになりました。
阿部さんは赤ちゃんが「ンコー」と言ったら、まっすぐ目を合わせて
「ンコー」と応えてやることから赤ちゃんとの会話が始まりだと言います。
早速やってみると、おちびさんはわたしの顔をじーっと見て、
「あれっ!」と何かに気付いたような顔をして、また「ンコー」と応えてくれました。
たったそれだけのことだけれど、おちびさんとわたしにとって初めての会話。
とてもうれしくて、幸せな気持ちになりました。

阿部さんは、わらべうたで教えていることは、楽に楽しく生きられる知恵だと言います。
それは、子どもにとっても、親にとっても言えることだと思います。
子どもにとっては、楽に、楽しく育っていく知恵。
親にとっては、楽に、楽しく子育てする知恵。
これから一年、この本を何度も開くことになりそうです。
(入門編ははじめの一年の子育てを対象にした内容なのです。
ちなみに、応用編は1歳から小学生を対象にした内容です)
馬鹿になって、たくさん歌って、楽に楽しく子育てしていきたいです。

 -子どもは真似して覚えていくものですが、心の中まで真似するんです。
   だから、できるだけ、なぜこうするのかわかって納得した上で、子どもに向かうと、
   子育ては楽しいし、やることはみんなあそびとしてやることだから、
   子どももすっと受けとって楽に育つことができるんですよ。  (本文より)






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by kangaroo-books | 2010-07-08 17:24 | 【あそぼう!】の本棚


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