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百年の家

以前書いた(→)実家のリフォーム工事が終わりました。
施主である父の自慢は、気持ちの良い木の床と、広々としたデッキ、
薪ストーブのある土間、以前の家の太い梁がむきだしの2階。
工務店さんに頼んで、2階の壁は家族総出で珪藻土を塗りました。
もちろん、わたしも大きなおなかでがんばりました。
60年間、わたしたち家族を守り続け、少々くたびれていた家は、
元気に、頼もしく生まれ変わり、まだまだがんばってくれそうです。

百年の家 (講談社の翻訳絵本)

『百年の家』
J.パトリック・ルイス=文
ロベルト・インノチェンティ=絵
長田弘=訳
講談社


この物語の語り手は、家。
1656年に建てられた家は、いつの間にか人が住まなくなり、
誰にも知られぬままに、朽ちていました。
そして約250年後の1900年、子ども達に見つけられた家は、
改修され、ふたたび人が住みはじめます。

家は、家族を見つめます。
畑を耕し、作物を収穫するつつましやかな暮らし
復活祭のにぎわい
新しい家族をむかえる喜びと、見送る悲しみ
大きな戦争の苦しみと絶望

100年の歴史を見つめ、刻んできた家。
家は人が住んでこそ、生きることができ、
歴史を刻むことができます。
やがて1世紀の後、家はどうなったのでしょう。

そこに住む人々の暮らしが、小さな窓の中まで丁寧に描かれており、
なんだかのぞき見しているかのような気持ちになってしまいます。
だから、彼らのつつましやかな暮らしを邪魔してしまわないよう、静かに読みたい絵本。
素晴らしい絵はもちろんのこと、長田弘さんの訳した美しい詩にも息をのみます。





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by kangaroo-books | 2010-07-23 14:48 | 【チクタク・・・】の本棚


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