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800

『800』 
川島誠=著 角川書店 




育ちもよく、頭もよく、中学の頃からいい記録を出してきた広瀬。
家はヤクザで、女の子のことばかり考えてて、陸上をはじめたばかりの中沢。
対照的な2人が、走りぬける800m!友情!恋!セックス!
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今日は、読書デーと決めこんで、読みたい本や、読みのがしている本を並べました。
自分でもあきれるけれど、その数50冊。そんなに、読めっこないのに。

その中から、最初に選んだのが『800』でした。
読み出して、すぐ嫌な予感。失敗かも。
スポーツ嫌いのわたしには、向いていないのかも。
やたら出てくるセックス描写も、気になる・・・
なんて、思いながらページを繰っていたのですが、いつの間にかはまってました。
広瀬と中沢のスピードにひっぱられた感じ。
読み終わった時、思わず走り出したくなりました。

800mって、一筋縄ではいかない競技だそうです。
ただ思いっきり走る短距離でもないし、持久力勝負の長距離でもない。
 勝とうと思ったら、かなりの速さで走りながら
 緩急をつけなきゃならない。(本文より)

それって、若さ、青春そのものみたいです。
広瀬と中沢が走っているのは、ただのグラウンドだけじゃなくて、
青春と呼ばれる熱い日々であり、人生なのです。
広瀬と中沢と、まわりの女の子達は、勢いよく走っているだけじゃなく、
悩み、思い、考え、感じ、影響され、影響を与えながら、彼らの日々を刻んでいるのです。

出会う人によって、自分がどんどん変わっていくのは、あの時期の特権。
できれば、中高生の時に出会っていたかった作品。
その頃読んでいれば、わたし自身何かが変わったかもしれない。
たとえば、スポーツをしてみるとか、恋をしてみるとか。

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by kangaroo-books | 2009-07-21 14:36 | 【夢中熱中】の本棚


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