今回のこどものとも0.1.2は、待ち遠しくて、待ち遠しくて・・・
なぜって、熊谷守一さんの作品が絵本になるからです。 熊谷守一を知ったのは、10年ほど前。 きっかけは、友人から届いた絵はがきでした。 その絵はがきには、なんともほがらかな顔をした三毛猫が描かれ、 脇に、小学生の落書きのような字でクマガイモリカズと書かれていました。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 『はじまるよ』 熊谷守一=絵 ぱくきょんみ=文 福音館書店 こどものとも0.1.2 熊谷守一は、1880年生まれの画家です。 晩年は、ほとんど外出せず、世捨て人のような暮らしをしたそうです。 写真を見ると、長い髭を生やした姿は、仙人か神さまのようです。 風貌にあらわれているように、後年の熊谷守一は、 自然の本質へと近づいていったのかもしれません。 彼の絵は、とことんシンプルだったり、抽象的だったりして、 のっぺりと一色で厚塗りされているにもかかわらず、 不思議なことに、実に生き生きとしていて、動き出しそうなのです。 蜂は、羽音が聞こえてきそうだし、 猫は、おひさまに当たった毛のぬくもりを感じそうだし、 鳥は、鳴き声が聞こえてきそうです。 自然の中で暮らし、自然を愛した人だからこそ描けた絵です。 さぞかし生命力あふれる人だったのでしょう。 熊谷守一さんの作品が絵本になると知って、楽しみな反面、 絵本というより、画集のようになってしまったら嫌だなあと心配もしていました。 作品のいくつかを選らんで、言葉をつけるだけで絵本になるのだろうか・・・と。 けれども、そんな心配はまったく無用でした。 ぱくきょんみさんの詩とぴったりと合って、すばらしい赤ちゃん絵本になっています。 以前、こどものとも年少版の『またあした』でも感じたのですが、 ぱくきょんみさんの言葉は、やさしくて、あたたかくて、飾っていなくて、 子どもの言葉みたいだなと思います。 子どもの言葉に似せたようにして頭を使って書く人はたくさんいるけれど、 ぱくさんはきっと、心から湧き出た言葉を書いているのだろうと感じます。 これからの赤ちゃんは、0歳から熊谷守一の絵を楽しめるのですね。 なんてうらやましいことでしょう! ↓ブログランキングに参加中。クリックおねがいします!
by kangaroo-books
| 2009-10-22 21:00
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