カテゴリ:【すてきな友達】の本棚( 8 )

セーラーとペッカ、町へいく

小さな頃から、上手に「さよなら」が言えない子でした。
たとえば、お友だちと夢中で遊んでいて、あたりが暗くなってきたとき。
たとえば、いとこの家に遊びに行って、親に「もう帰るよ」と言われたとき。
たのしい時間を過ごせば過ごすほどに、あっという間にやってくる「さよなら」の時間。
去りがたく、急に泣き出してしまったことも何度もありました。
大人になっても、やっぱり「さよなら」は苦手。
旅行の帰り際の「さよなら」、ほろ酔い加減の「さよなら」
たのしい時間がプツリと途切れて、ひとり取り残されてしまう気になるのよね。
その点、だんなさんとのおでかけはいいものです。
たのしい時間を、ふたりでそのまま家にまで持って帰れるのですから。
だれかと一緒に暮らすのって、それだけでたのしいし、元気になれるものです。
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『セーラーとペッカ、町へいく』 
ヨックム・ノードストリューム=作 菱木晃子=訳
偕成社 

セーラーとペッカ、町へいく

引退した船乗りのセーラーと、犬のペッカのなんでもない日常を描いたシリーズの1冊目。
ある朝、セーラーが服を着ようとするとセーターがなくなっていました。
どうしても見つからないので、町へ行くことにしました。
セーラーはセーターを買うために、ペッカは床屋さんに行くために。
セーラーは、裸にサスペンダーの姿でおでかけです。
胸毛がもじゃもじゃっと見えても平気、平気。

ふたりの暮らしは、自由で、おおらか、のびやかです。
日本の絵本にはない色合い、タッチが北欧の空気を感じさせてくれます。
セーラーがタトゥーを入れる場面なんて、いかにも外国的です。
こういう場面を「教育上よくない!」なんてつまらないことを言ってけずらず、
そのまま日本で出版されてよかった。
セーラーとペッカの暮らしを見ていると、
ふつうに暮らすってとても楽しいことなんだなぁと気付かされます。
特に、大好きな人との暮らしはね。
そして、くすっとおもしろいのは、あまりに自然に登場する、脇役の不思議な動物たち。
屋根の上にいるウサギの夫婦に、「ちわあす」とあいさつするビーバー・・・
わたしは、5巻目に登場するゴキブリのヨーナスがお気に入りです。

セーラーとペッカシリーズは、全5冊。
お休みの日に5冊まとめて読んで、ふたりのワールドにどっぷりはまるのが好きです。


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 たとえば・・・
 ● 幼稚園での読み聞かせに向いているクリスマスの絵本は?
 ● 絵本から読み物へのステップになるような本を探している
 ● あたらしい絵本の中からおすすめを教えて!       などなど 
 
 子どもの本に関することで、お困りのことがありましたら、
 なんなりとコメントに書き込んでください。できる限り、お答えします。


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by kangaroo-books | 2009-12-07 19:32 | 【すてきな友達】の本棚

パーシーの魔法の運動ぐつ

クローゼットの整理をしました。
使わない物は、潔くパッパッと捨てる性格ですが、靴を捨てる時だけは躊躇します。
それは、靴道楽の母の影響かもしれません。
実家の物置にある靴箱には、ずいぶん長い間眠っている靴たちがずらりと並びます。
わたしがはじめてはいた小さな靴や、母が初任給で買ったパンプスもあります。

靴を見ると、それをはいていた当時のことをありありと思い出します。
バレエシューズは、バレエのお稽古の時、友達とおしゃべりばかりしていたことを。
高校時代のスニーカーは、体育祭や、修学旅行や、好きだった男の子のことを。
留学先に持っていった革靴は、クラスメイトのことや、おいしかった食事や、異国の空気を。

靴はいつも、わたしの体と地面の間にあって、わたしとその場所とを繋いでくれているわけだから、
その場所の情景や匂いと、わたしの思いや汗とミックスして、
足を入れる穴の中に、ずっと蓄えているのかもしれません。
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『パーシーの魔法の運動ぐつ』  
ウルフ・スタルク=作 菱木晃子=訳
はたこうしろう=絵 小峰書店




ウルフは、太り気味で、のろまな、さえない男の子。
ウルフのクラスに、ちょっと不良っぽいパーシーが転校してきます。
運動神経抜群で、けんかが強くて、女の子とキスしたこともあるパーシーは、
ウルフの目にはとてもかっこよくうつりました。
パーシーみたいになりたいと願うウルフに、パーシーはそっと秘密を教えます。
パーシーがなんでもできるのは、魔法の運動ぐつをはいているからだというのです。

ところが、その運動ぐつは、ぼろぼろです。まるで、おぼれたドブネズミのよう。
ひもは途中でつぎたされているし、底はすっかりすり減っています。
おまけに、匂いは、青かびチーズにそっくり。
本当に、魔法の運動ぐつなの?と疑いたくなるような代物ですが、
ウルフはパーシーのくつがほしくてたまらなくなります。
運動ぐつを手に入れるために、パーシーに言われるがままに自分の持ち物をさしだし、
とうとうくつは、ウルフの物になるのですが・・・



大人の目線で解釈してしまえば、ウルフはパーシーにうまいこと騙されているわけです。
本人は気付いていないけれど、いじめられているとも言えるのかもしれません。
ところが、魔法の運動ぐつを手に入れたウルフは、パーシーが驚くほどの変身をとげます。
本当に魔法のくつだったのか、信じる力こそが、魔法だったのか。
そして、魔法の力に頼らなくてもよくなった時、ウルフはほんの少し大人になっています。


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by kangaroo-books | 2009-10-04 17:13 | 【すてきな友達】の本棚

ふたりはともだち

なーんにもやりたくなくて、ずっとゴロゴロしていたい日。
そんな日に、決まって開く絵本があります。

今日も、開きました。
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『ふたりはともだち』  
アーノルド・ローベル=作 三木卓=訳 文化出版局




ある夏の日のこと、かえるくんは病気でした。
ベッドに入ったかえるくんは、おはなしをしてくれるようにがまくんにおねがいします。
そこで、がまくんはかえるくんに話してあげるおはなしを一生懸命考えました。
家の前をうろうろしてみても、逆立ちしても、思いつきません。
水を頭からかぶっても、壁に頭をガンガンぶつけてみても、思いつきません。
そんなことをしているうちに、今度はがまくんの調子が悪くなってしまいました。

がまくんとかえるくん、ふたりの少しズレた会話がくすっと笑えます。
例えばこんな感じです。

-がまくんが いいました。
 「かえるくん。きみ ひどく かおが 青いよ」
 「だって ぼく、いつだって 青いんだよ」
 かえるくんが いいました。
 「ぼく かえるなんだもの」 (本文「おはなし」より)


全部で5話のみじかいおはなしが楽しめるので、
毎晩1話ずつ読んであげるのもおすすめです。
5話目の「おてがみ」は小学校の国語の教科書にのっていて有名です。
がまくんとかえるくんのシリーズは、全部で4冊あります。
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のんきなふたりの生活を覗いてみると、ゴロゴロする日があってもいいさ、
なんにもしない日も大切さ、と思えてきて、ぐうたらに専念できるわたし。

わたしは、きっとがまくんに似ているのです。
なまけ者だけど、せっかちなところ。
のせられやすいところ。
よく物を失くして、見つからないとヒステリックになるところ。
寝起きが悪くて、寝つきがいいところ。
がんばりすぎると、決まって体調をくずすところ。
時に、ひどくマイナス思考だけれど、褒められるとケロリと元気になるところ。
とにかくがまくん同様、世話が焼けるのです。
そんな、わたしは、いつもかえるくんのように、
気が長くて、しっかり者のオットや友達に助けられています。
感謝、感謝。

がまくんとかえるくんのように、小さな喜びや驚きを分かち合って暮らすのって
本当に幸せなことです。

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by kangaroo-books | 2009-09-07 20:12 | 【すてきな友達】の本棚

わたしたちの帽子

『わたしたちの帽子』  
高楼方子=作 出久根育=絵 フレーベル館 




ひと月だけ、街のビルの一室に仮暮らしをすることになった5年生のサキ。
最初は、ビルのあまりの古さとブキミさにがっかりしていましたが、
すぐに友だちができて、ビルはどこか不思議でわくわくする場所に変わっていきます。

サキの新しい友だちは、同じビルに住む育ちゃん。
2人を引き合わせたのは、おそろいのキルトの帽子でした。

サキと育ちゃんは、毎日のように、ビルの中を探検します。
ビルは、不思議でおもしろいことだらけでした。

額縁の裏の、かくし扉。猫の事務所。
屋上で踊る、あやしいモグラおじさん。
どこまでもぐるぐると続く、らせん階段。

育ちゃんと遊ぶのが楽しくて仕方のないサキでしたが、
育ちゃんとわかれて部屋にもどると、決まって不思議な気持ちになるのでした。

「育ちゃんは、ほんとはいない子なのかもしれない」

育ちゃんのことがいるような、いないような気がしたり、
遊んだことが、全て夢のできごとだったかのように思えてきたりします。

育ちゃんは、ほんとにいるサキのお友だちなのでしょうか?
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同じビルを舞台に、少し前の時代の子どもたちの記憶と、
サキと育ちゃんの物語が交錯します。
小さな記憶の断片が継ぎはぎされて、出来上がったストーリーは、
まるで、たくさんの布を縫い合わせて作られたキルトの帽子のよう。

高楼方子さんのおはなしは、どこか夢の中の出来事のようで、ふわふわとしているのだけれど、
最後にはきちんとつじつまがあって、あー、よかったなとなります。
このおはなしも、後半、時がキーワードになっていますが、
同じ作者の『時計坂の家』『緑の模様画』も、時の不思議を感じさせられる、すてきな作品です。

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by kangaroo-books | 2009-08-20 23:33 | 【すてきな友達】の本棚

おわりから始まる物語

『おわりから始まる物語』
リチャード・キッド=作 松居スーザン=訳 ポプラ社 




「おわりがくる」
「そして、そのおわりとともに、新しい何かがはじまる」
ある晩、紅茶占いをしていたおばあちゃんがおごそかに言った。

そして、その予言通りに、おわりがやってくる。
お父さんが漁師の仕事をやめたために、海からはるか遠くはなれた村へ
引っ越さなくてはならなくなったのだ。

引っ越し先の村で新しい生活をはじめたぼくは、
小川で鯉少佐とよばれる老人と出会い、仲良くなる。
その一方、クラスメイトのビリー・ゲイツとはうまくいかない。

ある晩、ビリーとぼくは、鯉少佐の家の前で怪しい音を聞く。
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父の失業によって、ぼくジミーと家族は、引っ越し、転校をしなくてはならなくなります。
時代と、国は違っても、同じような状況におかれる子どもは、
現在の日本にもたくさんいますね。

引っ越しや、転校は、子どもにとっては、まさに“おわり”なのです。
親の都合で、仲のよい友だちとは離れなくてはならない。
これから、まだ知らぬ誰かと、新たに友だち関係を作っていかなくちゃならない。
大変です。すごく大変です。不安でいっぱいでしょう。

おわりとともに、悲しみや不安がおしよせてくるけれど、誰だって前に進まなきゃならない。
次を始めなきゃならない。

そして、始まりとともに、悲しみや不安はだんだんと薄れていって・・・
気付いたころには、そんなものどこかに消えちゃっているのです。

人と関わる上で、ぎくしゃくしたり、うまくいかないことがあっても、
人と人との関係は変化していくし、周りの状況も変化していきます。
ジミーと鯉少佐の関係も、ジミーとビリーの関係もだんだんと変化して、
最後には年齢を越えた、かたい友情を築くのです。

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by kangaroo-books | 2009-08-18 20:19 | 【すてきな友達】の本棚

レモネードを作ろう

『レモネードを作ろう』  
ヴァージニア・ユウワー・ウルフ=作 こだまともこ=訳 
徳間書店 




わたしは、ベビー・シッターのバイトを始めた。
大学に行くお金を貯めるため。
お金を貯めて、大学に行って、いい仕事について、
二度とこんな貧しい町には住まないために。

バイト先は、ぼろぼろでむちゃくちゃ汚いアパートで、
17歳の母親ジョリーと2人の子どもが住んでいる。
わたしの仕事は、ジョリーが仕事に行っている間、
子ども達にごはんを食べさせたり、お風呂に入れたり、オムツをかえること。

ある日突然、ジョリーが勤め先をくびになってしまった。
ジョリーはまともに学校に行っていないから、字も書けなくて、
次の仕事がなかなか決まらない。
だから、わたしのお給料だって払えなくなってしまった。
ベビー・シッターのバイトなんか辞めて、他の仕事を探せばいいのだけれど、
ジョリーたちと関わることをやめられない、わたし。
ジョリーたちをなんとかしてあげたいと思ってしまったのだ。
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同世代で、同じように貧しいものの、まったく境遇の違う2人の女の子。
ラヴォーン(=わたし)とジョリー。
ラヴォーンは、大学に行くために、一生懸命に勉強にはげむまじめな高校生。
一方ジョリーは、できちゃった2人の子どもを抱えながら働いて、
学校にも行けないシングルマザー。
2人の関係は、友情なんていうきれいな言葉では、語りきれません。

-ジョリーのようにはなりたくない。
-ジョリーたちをなんとかしてあげたい。
-でも、ジョリーからもらうバイト代で、ジョリーのようにならないための
 切符を買おうとすることは、間違っているのかもしれない。

ラヴォーンは、そんな複雑な思いを抱えながらも、
ジョリーと、幼い2人の子と、自分の夢と、真正面に向き合います。
人と真正面に向き合うことは、大人になるとなかなか難しいものです。
その人の抱えている問題が、大きければ大きいほどに。
自分のやっていることが、ただのおせっかいに思えたり、偽善に思えたり。
「なんとかしてあげたい」という思いを、行動にうつすことができる14歳の女の子の清らかさに、
わたしたち大人は教えられることがあるかもしれません。

               ●
 
最近、続編の『トゥルー・ビリーヴァー』が出版されました。
こちらも、読むのが楽しみです。
読んだら、もちろん紹介しますね。

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by kangaroo-books | 2009-08-03 20:52 | 【すてきな友達】の本棚

きみなんかだいきらいさ

『きみなんかだいきらいさ』  
ジャニス・メイ・ユードリー=文 モーリス・センダック=絵 
こだまともこ=訳 冨山房 

きみなんかだいきらいさ

ジェームズとぼくは、いつもなかよし。
誕生日パーティによんでやったし、
クルクルクッキーをわけてやったし、
かさにもいれてやった。
みずぼうそうにも一緒にかかるくらい、なかよしだったんだ。

でも、今日はちがう。
ジェームズなんか、だいきらいさ。
だって、ジェームズは、いつもいばるし、いじわるもする。

「きみとは ぜっこうだ」
「いいとも!」

ところが・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

表紙は、腰に手をあてて、ふん!と言っている二人の男の子。
でも、そっぽを向いているわけじゃなくて、顔を見合わせて、ふん!
しかも、二人の距離はくっつきそうなほど。
この絵からも、二人の仲のよさが、伝わってきます。

けんかをしたって仲良し、けんかをするほど仲良し。
男の子同士の友情って、そんな感じなのでしょうね。
女の子同士だと、そうはいきません。
複雑なのです。
カラリとした男の友情、あこがれです。

「ぜっこうだ!」と言っても、雨があがるころにはなかなおり。
次の瞬間には、クルクルクッキーを食べながら、一緒にローラースケート。
「ごめんね」を言わなくても、わだかまりなし。
そんな友だちっていいですね。

               ●

モーリス・センダックといえば、『かいじゅうたちのいるところ』の映画化で、
注目されていますね。
『かいじゅうたちのいるところ』は、子どもの心理を描いたすばらしい絵本ですが、
『きみなんかだいきらいさ』は、かくれた名作。
装丁が、ポケットサイズなのもポイントです!

★おはなし会で使う時には・・・
 4・5歳~
 サイズが小さいので、こじんまりしたおはなし会で使ってください。

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by kangaroo-books | 2009-07-29 19:38 | 【すてきな友達】の本棚

ないしょのおともだち

『ないしょのおともだち』  
ビバリー・ドノフリオ=文 バーバラ・マクリントック=絵
福本友美子=訳 ほるぷ出版 




人間の女の子マリーとネズミの女の子は、同じ家に住んでいました。
けれども、おたがいの存在を知りませんでした。
ある晩、マリーは床に落としたフォークを拾おうとして、ネズミに気がつきました。
ちょうど同じころ、ネズミはスプーンを拾おうとして、マリーに気がつきました。
そして、一人と一匹はないしょのおともだちになったのです。
やがて、マリーもネズミも大きくなり、家を出て一人で暮らすようになりました。
それから、もっと時がたち、マリーはお母さんになりました。
ネズミもお母さんになりました。
マリーの娘は、マリアといいます。
ネズミの娘は、ネズネズといいます。
ある晩、マリアとネズネズに、すてきなことが起こります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今年の春、出版されたばかりの絵本です。

おはなしが、かわいらしいのはもちろんのこと、
親子2世代にわたる物語なので、とても満足感があります。
マリーとネズミ、マリアとネズネズがとてもよく似ているところに、くすりと笑えます。

そして、この絵本の醍醐味は、絵を読むたのしさ!
絵を描いているバーバラ・マクリントックは、
ページの隅々まで細かく描きこむ画家さんです。
ちまちまと描かれているものがたくさんあるので、読む度に新しい発見があります。
特に、見逃せないのはネズミのおうちです。
ネズミたちが、人間から拝借しただろうと思われる物が、
すてきな家具や、オブジェにリメイクされています。

このページを見ていて、『床下の小人たち』を思い出しました。
このおはなしの小人たちも、人間から拝借したもの(小人たちは借りたものと言っていますが)
を使って暮らしていました。
わたしはよくヘアピンや、洗濯ばさみや、ペンなんかをなくしてしまうのですが、
ネズミや小人たちが家具にして使っているのかもしれませんね。

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by kangaroo-books | 2009-07-22 19:06 | 【すてきな友達】の本棚