カテゴリ:【本がすき!】の本棚( 8 )

ぼくのブック・ウーマン

先日、古巣の図書館で【はじめての絵本講座】のお仕事をしてきました。
集まったのは0歳の赤ちゃんとお父さん、お母さん。
おめめをぱっちりと開いて絵本を見る赤ちゃんの姿に
目を細めるお父さん、お母さん。なんとも微笑ましい場面です。

おちびちゃんたちは、本の世界の扉を開いたばかり。
本の世界はエキサイティングです。
たのしいことも、悲しいことも、おもしろいことも、びっくりすることもあります。
本の中で一生の友だちに出会えるかもしれません。
1冊の本が人生を変えるかもしれません。
司書の仕事は、子どもたちをそんなすてきな本の世界へ案内すること。
この仕事の魅力と、やり甲斐を再認識した一日でした。

ぼくのブック・ウーマン

『ぼくのブック・ウーマン』
ヘザー・ヘンソン=文
デイビッド・スモール=絵
藤原宏之=訳
さ・え・ら書房


険しい山のてっぺん住むカルは、学校に行けないので字がよめません。
ある日、馬にまたがった女の人が一日がかりで山をのぼってきました。
女の人が持ってきたものは、たくさんの本。
「この本に、お金はいりません。空気みたいにただなんです」
そう言って本を置いていった女の人は、それから2週間毎に
雨の日も、霧の日も、寒い日も、吹雪の日もやってきて、
その度に本を取り替えていきました。
にわとりのひっかいたあとみたいな文字の書かれている本なんて
くだらないと思っていたカルでしたが、女の人が危険をかえりみず
通ってくるわけをどうしても知りたくなり、本を手に取ります。

この物語は、実話をもとに作られたのだそうです。
子どもと本をつなぐ仕事に誇りを持ち、
険しい道のりを行き来した先達たちに、頭が下がります。


版元のさ・え・ら書房は、いい本が多くて新刊に注目している出版社ですが、
今年は特に出すもの、出すものハズレがありません。
『トマスと図書館のおねえさん』、『サリーの帰る家』
『図書館ラクダがやってくる』→
テーマが「本」の本が多いのは、国民読書年だからでしょうか。
次に何が出版されるのか、気になります。




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by kangaroo-books | 2010-09-02 16:02 | 【本がすき!】の本棚

図書館ラクダがやってくる

毎年夏休みには、移動図書館バスに乗って、
山間部の小学校に本の貸出と、おはなし会に行っていました。
ネットで本が買える時代とはいえ、
近所に図書館も、本屋さんもない地域に住む子どもたちにとって、
たくさんの本の中から、お気に入りの1冊を探すのは心躍ることなのでしょう。
「こんな本を見つけた!」「これ読んだことある!」「これおもしろそう!」と、
大はしゃぎして借りる本を選ぶと、家に持ち帰るのも待ちきれず、
校庭のすみっこにしゃがみこんで、本を開きます。
本を読むよろこびにあふれたその姿を見るたびに、
この仕事に就いてよかったと思いました。

図書館ラクダがやってくる―子どもたちに本をとどける世界の活動

『図書館ラクダがやってくる
  ~子どもたちに本をとどける世界の活動~』
マーグリート・ルアーズ=著
斉藤規=訳
さ・え・ら書房


作者は、世界各地の図書館員に手紙を出して、
どんな方法で子どもたちに本を届けているかをたずねました。
その結果、世界中から集まった情報や写真がすてきな絵本になりました。

フィンランドには図書館船が、インドネシアには自転車図書館があります。
イングランドの海辺では、図書館は手押し車にのってやってきます。
ケニアには図書館ラクダが、タイには図書館ゾウが、
ジンバブエには図書館ロバがいるのですから驚きです!
100冊の本をかついで4時間も歩いて本を届けるパプア・ニューギニアの
ボランティアさんたちには頭が下がる思いがしました。

世界中には、移動図書館を心待ちにしている子どもたちがたくさんいて、
彼らに本を届けるために、図書館員たちはあらゆる手をつくしているのです。
子どもと本をつなぐためにがんばっている同志を見つけたようで、
同じ仕事をする者として、とても励まされました。

心に留めておきたいことばです。
  -「図書館は、空気や水と同じくらいたいせつなものなのです」
  -「図書館は建物ではなく、サービスなのです」


ひとりでも多くの子どもが、本のよろこびをあじわえますように。





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by kangaroo-books | 2010-08-04 16:39 | 【本がすき!】の本棚

ねえ、ほんよんで!

先日書いたように、実家の大改装することになったので、片付けに行ってきました。
みんなが力仕事をするなか、妊婦のわたしに割り当てられた仕事は、絵本の整理。
わたしと弟くんたちが幼い頃に読んでいた絵本が、ぜ~んぶ残っています。
他のものはポイポイ捨てる母ですが、本だけは捨てないでとっておいてくれたのです。
そして、今回も「孫と読むから」と捨てないことになりました。
1冊ずつ丁寧に拭いて、ダンボールに片付けたら丸一日かかってしまいました。

そして、その日の夕食の時間のたのしかったこと・・・
絵本のダンボールを食卓の近くに置いておいたら、まず晩酌中の父が1冊手に取りました。
「おっ、懐かしいな」 ビール片手に絵本をめくるおじさん1人。
それから、弟がダンボールをあさりはじめました。
「あっ、これなんとなく覚えてる」 ビール片手に絵本をめくるおじさん2人。
つられて、うちのだんなさんも。
「この絵本うちにもあったよ」 ビール片手に絵本をめくるおじさん3人。
微笑ましいような、でもどこかあやしげ、おかしな光景。
名付けて、絵本居酒屋の夕べ。
お料理を準備しながら、その絵本にまつわる昔のエピソードを聞かせてくれる母と、
「他にもこんな絵本があるよ」と次の本を取り出して渡すわたしは店員さん、
おじさん3人がお客さんといったところでしょうか。
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『ねえ、ほんよんで!』 
レイン・マーロウ=作・絵 福本友美子=訳

ねえ、ほんよんで!

せっかちなうさぎくんと、のんびりやのかめくん。
遊びに行くときも、ごはんを食べるときも、ゲームをするときもゆっくりゆっくりなかめくんに、
うさぎくんは「はやく、はやく」と急かしてばかり。
うさぎくんが寝る時間になると、やっとかめくんは静かにカモミールのお茶を飲むことができます。
でも、うさぎくんはまだ眠くない様子。絵本を持ってきて、言いました。
「ねえ、ほんよんで!」
「ねえ、よんで、よんで、よんでー!」
かめくんが読み出すと、いつもせっかちなうさぎくんは・・・

この絵本は新しい本なので、子ども時代に読んだものではありませんが、はじめて読んだとき、
本を読んでもらううさぎくんの気持ちが小さいころの自分の気持ちとすっと重なりました。
絵本タイムは、うれしくて、ほっとして、それがずーっと続いてほしいと感じるのです。
だれかに「ねえ、ほんよんで」と言える時代を送った幸せ、
だれかと本を共有した幸せは、何年たっても色褪せません。

それから、余談ですが・・・
大のかめ好きのわたしには、かめくんがキャベツの下で眠る姿、
ちょこんと座ってカモミールのお茶を飲む姿がたまりません。
かめ好きのみなさん(少数派でしょうが・・・)、おすすめです!




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 たとえば・・・
 ● 幼稚園での読み聞かせに向いているおひなさまの絵本は?
 ● 絵本から読み物へのステップになるような本を探している
 ● あたらしい絵本の中からおすすめを教えて!       などなど 
 
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by kangaroo-books | 2010-02-25 08:45 | 【本がすき!】の本棚

レッド・ブック

あけましておめでとうございます。
今年も子どもの本のたのしみを、どこかのだれかに伝えられるよう
微力ながらがんばっていこうと思っています。
カンガルーのように仲良く、ぴったりくっつて本を読む親子が増えますように。

今年のはじめは本を開くのがわくわくするような、不思議で、素敵なおはなしです。
本は、摩訶不思議なモノだなぁと感じることがあります。
みなさんは、こんな経験ありませんか?
たとえば、本屋さんで何の予備知識もなく、ジャケ買いした本が、
その時の自分の状況や、感情にぴったりだったこと。
たとえば、友だちが薦めてくれた本が、たまたま最近読んだ本の続編だったこと。
たとえば、娘が図書館から借りてきた本が、自分が幼い頃にお気に入りの本だったこと。
たとえば、好きな人と愛読書が同じだったこと。
最後のは、勝手に運命感じちゃっているだけかもしれませんが・・・
本は、ただひとりで黙々と読むだけでなく、ダレカとナニカとつながるたのしみも持っています。
さて、その扉のむこうには何が待っているのか、どんなことが起こるのか・・・
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『レッド・ブック』 
バーバラ・レーマン=作 評論社 

レッド・ブック (児童図書館・絵本の部屋)

ある冬の日、女の子が雪の中に真っ赤な本を見つけました。
その本に描かれていたのは、南の島の男の子。
本の中の彼もまた、砂浜で真っ赤な本を見つけました。
その本に描かれていたのは・・・
女の子の赤い本と、男の子の赤い本が交錯して、不思議な物語ができあがります。
こんな本を読んでみたいなぁと、夢心地で本を閉じると、
わたしが読んでいたこの本こそが赤い本『レッド・ブック』なのでした。
読んでいるわたしも、だれかに読まれているかも!


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 たとえば・・・
 ● 幼稚園での読み聞かせに向いている節分の絵本は?
 ● 絵本から読み物へのステップになるような本を探している
 ● あたらしい絵本の中からおすすめを教えて!       などなど 
 
 子どもの本に関することで、お困りのことがありましたら、
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by kangaroo-books | 2010-01-07 20:05 | 【本がすき!】の本棚

しずかに!ここはどうぶつのとしょかんです

図書館で働いています。
図書館が大好きです。
図書館が舞台の絵本に出会うと、うれしくてたまりません。
胸がキュンとしてしまいます。
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『しずかに!ここはどうぶつのとしょかんです』
ドン・フリーマン=作 なかがわちひろ=訳 BL出版 

しずかに!ここはどうぶつのとしょかんです

カリーナは、土曜日の朝にかならず図書館に行きます。
ある日、動物のでてくる本を読んでいたカリーナはこんなことを考えます。
「わたしが としょかんの ひとだったら、
どうぶつだけが としょかんに はいれる とくべつな ひを つくるのに・・・」
すると、カナリアが入ってきました。
次に来たのは、ライオン。
くまに、ぞう、くじゃくもやってきます。

小さな女の子カリーナちゃんが、りっぱに図書館員の役目を果たします。
動物ごとに、本を読むのにぴったりの場所をすすめたり、読書のアドバイスをしたり。
えらい、えらい。

作者のドン・フリーマンは、『くまのコールテンくん』や『くまのビーディーくん』などが有名。
この数年、未訳だったものが、何冊か出版されました。
本作も日本での出版は去年ですが、アメリカでの初版は1969年と長寿の絵本なのです。
ドン・フリーマンの作品は、どれも主人公が愛らしくて、ギュッとしたくなってしまいます。
そして、色合いが素敵。かわいいのに、シックです。


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 たとえば・・・
 ● 幼稚園での読み聞かせに向いているクリスマスの絵本は?
 ● 絵本から読み物へのステップになるような本を探している
 ● あたらしい絵本の中からおすすめを教えて!       などなど 
 
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by kangaroo-books | 2009-11-30 19:44 | 【本がすき!】の本棚

青い図書カード

『青い図書カード』  
ジェリー・スピネッリ=作 菊島伊久栄=訳 偕成社 




万引き、落書き、何をやっても平気さ。
おれたちは、もうガキじゃないんだから。
大人だってこわくない。

友達とつるんで、いきがっているマングースのポケットから出てきたのは、
青い図書カード。

マングースは、カードにいざなわれるように、
はじめて図書館に足を踏み入れました。
そして、カウンターの人に手渡された1冊の本。

開いてみると・・・
マングースは本に魅了されていきます。

図書館カードが鍵をにぎる、4つの短編。
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どれも10代の少年少女を主人公にした作品。
青い図書カードをきっかけに出会った本が、4人の子を変えていきます。

10代のころに出会う本は、その人の心や生き方に大きな影響を与えます。
図書館にある膨大な数の本の中には、その子が今必要としているものが、
きっと1冊はあるはず。

図書館はそういう場所なんだ、すごい場所だ!
と、あらためて感心してしまいました。

ただ、その子とその本を結び付けてくれる魔法の青い図書カードがない時には、
司書がその役目を果たさねばいけませんね。

1冊の本には、人生をも変える力がある。
わたしは、そう信じています。

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by kangaroo-books | 2009-08-21 20:46 | 【本がすき!】の本棚

としょかんライオン

『としょかんライオン』  
ミシェル・ヌードセン=作 ケビン・ホークス=絵 
福本友美子=訳 岩崎書店 




ある日、図書館にライオンがやってきました。
図書館員のマクビーさんは、大あわてで館長のメリウェザーさんに報告しますが、
メリウェザーさんは落ち着いて言いました。
「図書館のきまりを守るなら、そのままにしておきなさい」

そんなわけで、ライオンは毎日、図書館にやってくるようになります。
館内を歩き回ったり、昼寝をしたり。
図書館の仕事を手伝ったりもします。
そして、ライオンが一番好きなのは、おはなしの時間。
子ども達と一緒に、おねえさんのおはなしをじっと聞きます。
いつもきまりを守って、とてもお行儀のいいライオンですが、
ある日、きまりをやぶってしまいます。いったい何が起こったのでしょうか?
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アメリカの図書館に、図書館ねこがいるという話は有名ですね。
ねこが、利用者を和ませたり、広報活動をしたり、
立派に図書館員として働いているのです。
この絵本では、同じねこ科のライオンが図書館員になります。

わたしも、図書館で働いています。
うちの図書館にも、こんなライオンが来てくれたらいいのに。
同僚がライオンって、なかなか魅力的です。
力持ちだから、本をいっぱい運んでくれるはず。
あのふさふさのしっぽは、書架のほこり払いにぴったり。
子ども達が読書をする時には、ソファー代わりになってもらおう。
そして、時々は、わたしの休憩時間にも、ソファーになってくれるようお願いしてみよう。
ふわふわの背中にもたれて読書は、きっとすてき!

いっぱい働いてくれたお礼には、絵本を読んであげます。
ライオンは、どんなおはなしがお好みかな?
『ひとまねこざる』    →  同郷のサルが大かつやく
『アンディとらいおん』  →  「図書館」「ライオン」といったら、まずこの一冊
『ごきげんならいおん』 →  このライオンもやさしい、そしてごきげん
真剣に考えてみると、けっこう楽しい空想です。

★おはなし会で使う時には・・・
 5・6歳~
 ちょっと長めだけど、おはなしのスジがしっかりしているので、よく聞いてくれるます。
 大人数に読み聞かせるなら、小学校低学年~
 
 ぜひぜひ、図書館での読み聞かせに使ってもらいたい本です。
 子ども達は、ここにライオンが来たら?と考えてわくわくするはず。

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by kangaroo-books | 2009-07-12 20:22 | 【本がすき!】の本棚

エリザベスは本の虫

『エリザベスは本の虫』  
サラ・スチュワート=文 デイビッド・スモール=絵
福本友美子=訳 アスラン書房 



 
エリザベスは、生まれてすぐに字をおぼえ、あっという間に本の虫に。
寝る間もおしんで、読書。デートもせずに、読書。体操しながらも、読書。
読んで、読んで、読みふけり、とうとう家中が本だらけ。
もうこれ以上入らない!
さて、エリザベスが思いついた名案とは?
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本好きの鏡のような、エリザベス。
エリザベスのように、本を愛して、本に愛される人生をおくりたいものです。

★おはなし会で使う時には・・・
 小学校低学年~
 本好きの子が共感する内容なので、小学校の教室で読み聞かせするよりも、
 図書館など本に興味のある子が集まる場で読んだ方がよく聞いてくれます。
 訳がうまくて、言葉の調子がいいので、声に出すと楽しい気分になります。

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by kangaroo-books | 2009-07-07 10:10 | 【本がすき!】の本棚