カテゴリ:【いのち】の本棚( 5 )

さよならエルマおばあさん

運転中、ラジオから田中好子さんの声が聞こえてきました。
告別式で流された肉声テープだそうです。

「天国で被災された方のお役に立ちたい」という言葉に心震えました。

わたしはいつか死を目の前にした時、人を思いやれるだろうか。
「思いやりは大切」小学一年生が先生から言われそうな言葉ですが、
人生というのは、やはり人を思いやってこそだと思います。

人のために生きること。
それが、自分のために生きるということ。
子どもを持ってから、それをますます感じています。

さよならエルマおばあさん

『さよならエルマおばあさん』
大塚敦子


エルマおばあさんの最後の一年を綴った写真絵本です。
死を受け入れながらも、残された日々を大切に生きるエルマおばあさんは、
最後の日々を人生を振り返ることと、人を思いやることに費やします。
親しい人々へのお別れをするだけでなく、
自分の死後、彼らの悲しみが少しでも和らぐよう気を配りをするおばあさんと
それを受け入れる人々。
やがて、おばあさんは穏やかな死をむかえます。

人が生きて、死ぬということはほんとうに尊いことです。
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by kangaroo-books | 2011-04-25 23:20 | 【いのち】の本棚

詩ふたつ

詩人や作家のことばに圧倒されて、本を閉じた瞬間、
口から出たことばが、「すごくよかった・・・」
自分の貧弱なことばにガックリときます。
詩人や作家が使っているのも、わたしが使っているのも同じことば。
詩人や作家は、ことばでにおいを作る、音を作る、
光を作る、味を作る、風を作る、温度を作る・・・
ことばで世界をも作ることだってできる。
わたしは、自分の思いすらことばにできない。

ことばにできないわたしは、
ことばにならない何かを感じることを大切にしたい。

詩ふたつ

『詩ふたつ』
長田弘=著
グスタフ・クリムト=画
クレヨンハウス


長田弘の「花を持って、会いにゆく」「人生は森のなかの一日」
というふたつの詩と、クリムトの樹木と花々の絵からなる詩集。

わたしはこの本を読んで感じたことをうまくことばにできないけれど、
たしかに何かを感じたのです。
詩と絵に圧倒されて、本を閉じたとき、
ずっしりと重いけれども、爽やかな何かが残りました。

 -ことばって、何だと思う?
   けっしてことばにできない思いが、
   ここにあると指さすのが、ことばだ。(本文より)


ことばを大切にしたいと思いました。
そして、ことばにならないことばも大切にしたい。

わたしのもとに来て日がまだ浅い本ですが、
一生の友になりそうな予感がします。 





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by kangaroo-books | 2010-08-31 18:30 | 【いのち】の本棚

あなたがうまれたひ

わが家のおちびさんのことを少し。
おっと、その前に・・・
今日から、ブログでの彼女の呼称を変えることにします。
おなかにいる時から、ブログに登場してもらう時にはおちびさんと呼んでいましたが、
すくすくと育っていく彼女をいつまでもおちびさんと呼ぶのはなんだかなぁと思いまして。
おちびさん改め、“アン”といいます。よろしく!

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アンは帝王切開で産まれてくる予定でした。
妊娠後期、成長が滞り、陣痛に耐えられるか心配だから念のために、という理由でした。
ほんとうは自然に産みたいという気持ちがずっとあったのですが、
彼女が元気に産まれることが一番だからと、手術することを決めました。
ところが入院予定の2日前、突然の破水。
まるで、彼女が「わたし元気だよー」「ちゃんと産まれられるよー」と
アピールしているかのようにぐんぐんとお産がすすみ、
12時間足らずで自然に産まれてきてくれました。
アンとわたしとだんなさん、3人でがんばったとてもいいお産でした。
わたしの自然に産みたいという気持ちを彼女が察してくれたのだと思います。
赤ちゃんの力、ヒトの体に備わっている力、自然の力ってすごいものです。

あなたがうまれたひ (福音館のかがくのほん)

『あなたがうまれたひ』
デブラ・フレイジャー=作
井上荒野=訳
福音館書店


この絵本は2回目の登場です。
1回目はブログで妊娠を報告した時でした。→

自分がこの地球に産まれてきたことがうれしくなるような本。
読むたびに「ありがとう!」と大きな声で言いたくなるような、
元気になるような・・・大好きな絵本です。

本は読む時の状況、心のあり方などによって、とらえ方がぜんぜん違います。
それが本とのつきあいのおもしろいところ。
今までは、『あなたがうまれたひ』の“あなた”は“わたし”だったけれど、
アンが産まれた今、“あなた”は“わが子”になりました。
産まれてきてくれてありがとう。
アンがもう少し大きくなった時、この絵本を一緒に読んで、
彼女がうまれた日のことを話してあげたいと思っています。





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by kangaroo-books | 2010-07-14 11:38 | 【いのち】の本棚

おなかの大きい小母さん

最近、急におなかがぽっこりとつきだしてきて、もうどこからどう見ても妊婦さんです。
体はだいぶ重たくなったけれど、仕事のない日は散歩ばかりしているので、
妊娠前よりもずいぶん歩けるようになりました。
おちびさんも散歩がお好きなようで、歩いているときも、ベンチで休んでいるときも、
トントンとおなかを蹴って合図してきます。
大きなおなかで散歩をしていると、いろんな物が目にとまります。
小さな花、木の芽、昼寝をしているねこ、流れていく雲・・・
そのどれもこれもが眩しくて、きらきらしています。
それから、いろんな人から声をかけられます。親切にしてもらっています。
「何ヶ月?」「赤ちゃん楽しみねぇ」・・・
それは、みんながおちびさんにエールを送ってくれているのだね。
げんきな赤ちゃん待ってますよう!って。
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『おなかの大きい小母さん』 
まど・みちお=詩  大日本図書

おなかの大きい小母さん―まど・みちお詩集 (詩を読もう!)

まどさんの詩は、ほんとうにやさしい。
やさしくって、やさしくって、涙がでそうになります。
特に、表題作の『おなかの大きい小母さん』は、
今のわたしの気持ちをぴったりと表現してくれていて、
手帖に書き写して、何度も読んでいます。
赤ちゃんを宿していることのありがたさ、尊さ、
そして、この子がわたしたち家族だけじゃなくて、
自然や人や、いろんなモノから祝福を受けていることを感じます。
まどさんは男の人なのに、おなかにおちびさんのいる
お母さんの気持ちがわかるのですね。すごい!


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 たとえば・・・
 ● 幼稚園での読み聞かせに向いている卒業・入学の絵本は?
 ● 絵本から読み物へのステップになるような本を探している
 ● あたらしい絵本の中からおすすめを教えて!       などなど 
 
 子どもの本に関することで、お困りのことがありましたら、
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by kangaroo-books | 2010-03-15 09:57 | 【いのち】の本棚

とむらう女

図書館で働いていると、毎日何百という本を手にとります。
時々、ふっと思うのですが、世の中には本がほんとうにたくさんありますねー。
わたしの働く地方都市の中規模図書館だけでも、こんなにあるのですもの。
世界中にどれだけの本があるのだろうなんて考えると、気が遠くなりますね。
一生のうちで、何冊と出会い、何冊に心動かされ、何冊に出会えないのでしょう。

わたしの担当する児童書だけでも、毎週数十冊の新刊書が届きます。
絵本や比較的薄い本は、なるべく全てを読むようにしているのですが、
さすがに、分厚い読み物の本は勤務時間中にじっくり読書することはできません。
でもね、たまに「読んで、読んで!」と訴えかけてくる本があるのです。
そんな本は家に連れて帰ってゆっくりと読みます。
今までそんなふうに訴えかけてきた本で、失敗したことがありません。
わたしの本の勘というよりも、本に呼ばれているような、不思議な感覚です。
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『とむらう女』 
ロレッタ・エルスワース=作 代田亜香子=訳 作品社

とむらう女 (オールタイム・ベストYA)

この本は、新刊のカタログでタイトルを見た時から気になるものがありました。
そして、図書館に届いて表紙を見た時には、これは読まなきゃと思いました。
派手ではないし、明るいおはなしでもないけれど、
女の子の心の成長を細やかに描いたなかなかいい作品でした。

舞台は、19世紀のアメリカ、ミネソタ州。
11歳の少女イーヴィは母親を亡くしたばかりで、父親と妹と一緒に住んでいます。
彼女の家に、父親の姉フローおばさんがやってくるところから物語がはじまります。
フローおばさんの仕事は、「おとむらい師」
母親の死を受け入れることができないイーヴィは、死を扱うおばさんに嫌悪感を抱き
なかなか心を開くことができないでいます。
しかし、おばさんの仕事を垣間見るにつれ、イーヴィは死を受け入れ、生を受け入れ、
おばさんと、おばさんの仕事を受け入れていきます。


わたし達は、一生を生から死へと向かっていく一本道だと考えがちですが、
死が今よりももっと身近にあった昔の人は、
生と死はぐるりと回る円ととらえていたという話を最近聞きました。
仏教的な考え方の輪廻転生もそれと同じですね。
死は生のはじまりであり、生は死のはじまりである。


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by kangaroo-books | 2010-03-12 17:54 | 【いのち】の本棚