カテゴリ:【夏によみたい】本棚( 11 )

あむ

昼寝から覚めたあんちゃんが「あっ!」と言って本棚の上に向かって右手をあげました。
寝起きだというのにピカピカの笑顔。
どうしたのかと思ったら視線の先には「あむ」がいました。
本棚の下まで勢いよくかけていって、取ってくれとアピール。
取ってやると、表紙にチュウっと、くちづけ!
娘も「あむ」にひとめぼれしたようです。

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『あむ』
こどものとも2011年7月号
小風さち=さく
山口マオ=え
福音館書店






娘同様、わたしも本屋さんで「あむ」に出会った瞬間恋におちてしまいました。
表紙でじっとこちらを見つめる黒い犬。
かわいい顔をしているわけではないのに、
どうしてか目が離せなくなってしまったのです。
これは連れて帰らねば!

月刊絵本は全部買っていたのではきりがないから、
本屋さんで立ち読みしてこれはというものだけ買うと決めているのだけれど、
これは即買いです。
このタイトルに、この絵、そして作者はわにわにコンビだもの。
面白くないわけがありません。
その勘はもちろん当たりましたとも。
この夏のいちばんのお気に入りの絵本です。

おれのなまえをしりたいか?
おれは、あむ。
くろいぬ、あむ。
あとむで、あむだ。(本文より)


この一文で、もうやられてしまいます。しびれます!
小風さちさんのユーモアのある文章。
そして山口マオさんの生命力あふれる絵。
本全体からあむのパワーがあふれているようです。

絵本からあふれているのはあむのパワーだけでなく、夏の空気もです。
むっとした草いきれ、焦げるような日差し、潮のかおり、波の音。
今にも聞こえてきそうなのです。ザップンシャララ、インシャララ・・・と海の音が。


あむはマオさんの飼い犬だそう。
『わにわにのおでかけ』にも登場していますよ。
2010年10月号の母の友には、マオさんがあむを散歩している写真が出ています。
あむは後ろ姿だけですが、絵本のあむそのままといった感じ。
勢いよく走って、マオさんを引っ張っています。



1歳の娘にはまだまだ早いのですが、
ずっと抱きしめているものですから、一度読んでやったら、
じっとあむを見つめながら聞いていました。
おはなしはわからずとも、この絵本の勢いや面白さは伝わるのでしょうね。
娘といっしょに、はらはらしながらあむの冒険を応援する日がたのしみです。
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by kangaroo-books | 2011-08-24 22:52 | 【夏によみたい】本棚

ツバメ号とアマゾン号

こんなに寒いというのに、気分は夏休みです。
そのわけは・・・
この本を読んだから。

ツバメ号とアマゾン号(上) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ)  ツバメ号とアマゾン号(下) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ)

『ツバメ号とアマゾン号 (上)・(下)』
アーサー・ランサム=作
神宮輝夫=訳
岩波書店


湖に浮かぶ無人島でキャンプして夏休みを過ごすことになったウォーカー家の4人兄妹。
探検、アマゾン海賊との戦い、宝探し、真夜中のあらし・・・
ツバメ号の乗組員となった4人のすばらしい夏休み!!


小学生の頃、分厚い本に鼻をつっこんで、夢中になって読みました。
改訳で岩波少年文庫から出たので、夏の間に読もうと思っていたのですが、
ぼやぼやしているうちに、秋を通り越し、冬になっていました。

けれども、本を開いた途端あふれだしたのは、湖水地方のかぐわしい夏の空気・・・
まぶしい朝日、たきぎの匂い、湖を渡る風、
真夜中の静けさ、大あらしの音、そして子ども達のにぎやかな声!!
すっかりバカンス気分で堪能しました。
そして、読み終わった今、夏休みが終わった時のように元気がみなぎっていますが、
それと同時にあ~終わっちゃった、という寂しさも漂います。

子ども達がこんな会話をするシーンがあります。
-「夏が終わったら、私たち学校へもどるのよ」
  (中略)
  「でも、永久に学校へ行っているわけじゃないわよ」
  「私たちだって大人になるわよ。そうしたら、一年じゅうこの島に住めるわ」

永遠に続いてほしいと思えるような夏休み、今の子ども達は過ごしているでしょうか。
そもそもそんなの無理に決まってるじゃない、と最初から考えることもしないかな。
この時がずーっと続いたらいいのにと思えるような子ども時代の記憶って、
大人になってもふとした時によみがえってきて、元気をくれるものです。
ウォーカー家の子ども達ほどではありませんが、わたしにも素敵な夏休みの記憶があります。
そんな記憶を抱えて生きていけるのは、とても幸せなこと、豊かなことです。


子どもの頃は気付かなかったのですが、自分が親になって読んでみると、
子ども達のまわりの魅力的な大人にも目が向きました。
おかあさん、おとうさん、船長フリント・・・
こんな大人になりたいなあと思わせてくれる人たちです。


改訳について賛否両論あるようですが、
訳のことが気になったのは最初だけで、読み始めたらすっかり引き込まれました。
この本の最大の魅力は、読んで元気になること。
誰でも(もちろん大人も!)ツバメ号の一員となって、最高の夏休みが過ごせますよ。
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by kangaroo-books | 2010-11-19 22:33 | 【夏によみたい】本棚

ねこのオーランドー

朝ごはんと夕ごはんをデッキで食べるのが、この頃の楽しみです。
外で食べると2割増しくらいにおいしく感じるのはなぜでしょう。
目の前の風景が、海か山か高原だったらもっといいのに。
そしたらおいしさ5割増しでしょうねぇ。

『ねこのオーランドー』
キャスリーン・ヘイル=作・画
脇明子=訳
福音館書店


ねこのオーランドー一家は、たくさんの荷物を車に積んで
キャンプにでかけました。
山にハイキングに出かけたり、川で泳いだり。
時にはのんびりと川岸にこしかけて写生。
雨の日はあやとりをしてあそびます。
夜はキャンプファイヤーを焚いて、楽器をかなで、歌をうたいます。
キャンプのごはんは、魚に、キノコ、クレソンに、新鮮なミルク。
ねこたちのキャンプのにぎわいが、
大判の絵本からあふれだしそうです。
ねこたちがキャンプをした場所の地図がとてもかわいくて、
じっくりと見入ってしまいます。
本格的に縮尺や、方位も描かれているのです。

のびのびとした雰囲気が大好きな絵本なので、
手元に置いておきたいと思っているのですが、
絶版で手に入らず、古本も高額になってしまっています。
福音館さん、ぜひ復刊してください!
ちなみに、続編の2冊は童話館出版から出版されていて、
今でも手に入りますよ。





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by kangaroo-books | 2010-08-13 13:52 | 【夏によみたい】本棚

うさこちゃんとうみ

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モビールを作りました。
使ったのは、赤ちゃんが見やすいという赤、黄、青、緑。
ふわふわ、ゆらゆらと風にゆられます。
アンは、赤のドーナッツ形がお気に召したよう。
真剣に目で追っています。

うさこちゃんとうみ (1才からのうさこちゃんの絵本セット1) (子どもがはじめてであう絵本)

ディック・ブルーナ=文・絵
石井桃子=訳
福音館書店


うさこちゃんシリーズが新装版になりました。
今年は、うさこちゃんが誕生して55年目。
ブルーナさんは、基本的には三原色の赤、黄、青、プラス緑しか使いません。
茶色と灰色は、物語上必要な時にだけ使うとのこと。
ブルーナカラーと呼ばれるこれらの色を使うきっかけになったのは、
若いころに見たマチスの絵だそうです。

新装版になって、ブルーナカラーが原書の色に統一されました。
それから、使われているフォントも変わりました。
祖父江慎さんが作ったその名もウサコズフォント!
名前もキュートですが、見た目もキュート。
新装版だけを見ると、どこが変わったのかしら?と思いますが、
旧版と並べて見くらべてみると、ずいぶんと変わっています。
そして、もちろん新装版の方がしっくりきます。
新しく生まれ変わったうさこちゃん、
これからもずっと小さな人達に愛され続けることでしょう。

『うさこちゃんとうみ』は、うさこちゃんがおとうさんと海に行って、
たくさん遊んで、つかれて帰ってくる。
書いてしまうと、たったこれだけのおはなしなのだけれど、
小さな人たちの心に、大きな満足感を残してくれます。





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by kangaroo-books | 2010-08-09 16:17 | 【夏によみたい】本棚

えんにち

日曜日の夕方、アンを抱っこして家のまわりを散歩していたら、
ドンドンドン・・・と太鼓の音が聞こえてきました。
にぎやかな音にさそわれて、少しだけ足をのばしてみると、
近所の小さな公園で盆おどり大会が行われていました。
やぐら、提灯、屋台、ゆかた姿の子ども達・・・心おどります。
だんなさんはビール片手に、わたしはジュース片手に(あ~、ビールが飲みたい!)
焼き鳥を一本ずつ頬張り、ほんの少しだけ祭りの雰囲気を味わいました。
アンは、大きい目を開けて、キョロキョロしていました。





『えんにち』
五十嵐豊子=作
福音館書店


兄妹が縁日にでかけます。
2人が屋台を準備しているところを眺めていると、
境内はだんだんとにぎやかになり、すっかりお祭りの雰囲気に。
お好み焼き、いか焼き、おめん、カラーひよこ、金魚・・・
お祭りのわくわく感が絵本からあふれ出し、
縁日に出かけた気分になります。

この絵本、書かれたことばは最初のページの
「これから ふたりは えんにちに でかけます」のひとこと。
ほぼ字のない絵本なのですが、子ども達と読むととても盛り上がります。
子どもって細かく描かれたモノが大好きでしょ。『ミッケ』とかね。
だから、大人のわたし達が気付かなかったモノを見つけたり、
意外なところに目をつけたり・・・おもしろいですよ。
そして、少し昔のお祭りを描いたレトロな雰囲気が大人にも人気があります。
親子でおしゃべりしながら読むのがたのしい絵本です。
残念ながら絶版になってしまっているので、
興味のある方はおちかくの図書館で探してみてください。
同じ作者の『おみせ』もおすすめです。



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by kangaroo-books | 2010-07-21 14:39 | 【夏によみたい】本棚

よぞらをみあげて

昨日の夜のお月さまは、すごかった。
母から「月見た?きれいだよ!」と、電話があったので、
ブランケットにくるまって、ベランダでしばし夜空を見上げました。
寒いのはきらいだけど、冬の夜空はすきです。

今月は、しし座流星群が見られるそうですよ。
厚着して、夜空を見上げましょう。
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『よぞらをみあげて』  
ジョナサン・ビーン=作 さくまゆみこ=訳 ほるぷ出版

よぞらをみあげて

夜になり、「おやすみなさい」をしてベッドに入ったけれど、
わたしは、暗い部屋で、めがぱっちり。
おかあさんと、おとうさん、弟と妹の寝息が聞こえてきても眠れません。

その時、やさしい風がふいてきました。
わたしは、風にさそわれて屋上にやってきました。
まくらと、シーツと、おふとんも持って行きます。
屋上のベッドにもぐりこみ、夜空を見上げて、
息をすったり、はいたりします。
夜の空は広々として、世界がどこまでもつながっていくのを感じます。


おかあさんは、部屋から抜け出してふとんを運ぶ
女の子に気付くのですが、声はかけずにそっと見守ります。
そして、彼女が眠りについてから、そっと屋上にのぼり、
女の子の傍らで月を見上げながら、飲み物を飲みます。
子どもの思いや、子どもの世界を邪魔しないけれど、
共感はしてくれる、すてきなおかあさん。
おかあさんの存在で、この絵本の魅力がぐっと増しています。


これは、きっと初夏か、晩夏を描いた絵本なのだろうと思います。
でも、女の子のおふとんがふかふかしているところや、
おかあさんが温かい飲み物を飲んでいるところなど
日本の蒸し暑い夏には、どうもピンとこなくて、
どちらかというと秋の空気を感じる季節に読みたくなる絵本です。


5、6歳からたのしめますが、この絵本の空気、
きっと中高生の女の子や、大人も好きだと思います。
ジョナサン・ビーンの絵本は、まだ2冊しか出版されていませんが、
注目している新しい作家さんです。
開いた瞬間に、空気や匂いを感じるような絵を描く方です。


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 たとえば・・・
 ● 幼稚園での読み聞かせに向いているクリスマスの絵本は?
 ● 絵本から読み物へのステップになるような本を探している
 ● あたらしい絵本の中からおすすめを教えて!       などなど 
 
 子どもの本に関することで、お困りのことがありましたら、
 なんなりとコメントに書き込んでください。できる限り、お答えします。


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by kangaroo-books | 2009-11-04 19:27 | 【夏によみたい】本棚

すばらしいとき

絵本は、小さい子どものものだなんて、誰が決めたのだろう?

「もう大きいんだから、絵本なんてやめなさい」
児童コーナーにいると、そんな言葉をよく聞きます。
字がいっぱいの本が大きい子向けだなんて、ナンセンスです。
すぐれた絵本作家は、どれだけたくさんの文章を以ってしても書けないことを、
易しく、美しく、可笑しく、楽しく表すことができるのです。
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『すばらしいとき』  
ロバート・マックロスキー=文と絵 わたなべしげお=訳 福音館書店 




海辺の別荘で、ひと夏を過ごす家族を描いた物語です。

霧の朝のしっとりとした空気。
シダの伸びる小さな音。鳥のこえ。
潮の匂い。

水しぶきの冷たさ。
ぬれた肌の塩からい味。
太陽にてらされた岩のぬくもり。

夜の海の静けさ。
星々や、もっと大きなものに見つめられている感覚。

荒れくるう風。
うちつける雨。

家族といる安心感。
島を離れる少しのさみしさ。

わたしにとって、この絵本を開く時こそ「すばらしいとき」です。
2人の女の子と一緒に、島にいるとしか思えない感覚におちいります。
本を閉じたあとも、しばらく心が日常にもどれないほどです。

匂い、感触、色、音、味、想い。
ただの紙の束の中に、世界が詰まっているのですから、
絵本はたいしたものです。

※追記
この絵本は、現在品切れ状態です。
数年おきに、限定復刊されるのですが、こんなにすばらしい絵本が
なぜ常時出版されないのか不思議でなりません。

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by kangaroo-books | 2009-09-27 20:51 | 【夏によみたい】本棚

はたけうた

『はたけうた』 
田島征三=作 福音館書店 




願いをこめて、土をたがやし、心をこめて、種をまく。
芽を出した、だいこん、にんじん。穂を出した、ムギ。
可憐な花を咲かせた、トマト、なす、きゅうり。
甘い実をつけた、すいか、メロン。
取っても、取っても、またなるピーマン、なす、あずきに、だいず。
とうもろこし、へちま、むかごに、こいも。
はたけうたは、生命力あふれる野菜たちの賛歌です!!

 -ヨイショ たがやす はたけの つちは
  ほって ホカホカ くろい つち ドッコイショ

  あれま めが でた だいこん にんじん
  こころを こめて まいた たね

  ハハハ みどりの キャベツと レタス
  フフフ おいしい えんどうまめ (本文より)

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先日、新潟県で行われている越後妻有アートトリエンナーレに行ってきました。
またの名を、大地の芸術祭。3年に一度行われます。
十日町を中心とした妻有と呼ばれる地域の集落や棚田、森など至るところに
現代アートが展示される土臭く、力強く、元気な芸術祭です。
今夏、展示される作品は、なんと370点!
全部見ようと思ったら、ひと夏かかってしまいます。

わたしたちの今回の目的は、田島征三さんが集落の人たちと作り上げた“絵本と木の実の美術館”
小さな集落の廃校を、まるごと絵本にしてしまおうというワクワクするプロジェクトです。
絵本のタイトルは『学校はカラッポにならない』
小学校の最後の生徒3人が、学校に住むおばけと戦うストーリーです。
木の実と、流木をつかったモビールが、わたしたちをむかえてくれました。

紙の絵本と同様、田島さんの作品は、大地の匂いがしました。
田島さん自身も、大地から生まれてきたかのような生命力あふれる方です。
思いっきり作っている!!思いっきり生きている!!
田島さんの作品にかこまれていると、力がみなぎってきました。

               ●

小学生の頃、田島さんの絵本が大好きでした。
特に『ふるやのもり』と『ちからたろう』
読んでもらうたびに、泥棒やオオカミや、ちからたろうが絵本から飛び出してきて、
わたしの目の前を逃げていったり、力比べをしたり。
本当に、絵本から飛び出してきそうな迫力なのです。
でも、図書館では、田島さんの絵本は、正直いってあまり借りられません。
たぶん、かわいくないからでしょう。力強すぎるからでしょう。
大人は、(大人の基準で決めた)かわいいものを、子どもに与えようとします。
これには、田島さんは怒っておられました。
「子どもがかわいいものが好きだなんて、だれが決めたんだ!
子どもにだって、本物のアートがわかるんだ!!!」

               ●

本にサインをしてもらいました。
思いきって、田島さんの版画も買ってしまいました。
田島征三パワーを家に連れてかえってきてしまいました。

アートトリエンナーレは、9月13日までです。
お日さまの光を浴びて、汗をかいて、風を感じて、草のにおいをかいで、
アートを見ると、ぐんぐん元気になりますよ。

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by kangaroo-books | 2009-08-12 00:04 | 【夏によみたい】本棚

漂流物

『漂流物』 
デイヴィッド・ウィーズナー=作 BL出版 




男の子が、砂浜でひろった水中カメラ。
フィルムを現像してみると、そこにうつっていたものは・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これ以上あらすじを書いてしまうと、この絵本を開いた時の驚きが半減してしまうので、
ここまでにしておきます。

字のない絵本ですが、開いたとたんに物語があふれだします。
字がないから、読む人によって物語は少しずつ違うのかもしれませんね。

今日は、海の日です。
海の日ってすてきな祝日です。
カレンダーの海の日という字を見ると、
そうだ!海に行こうかという気にさせられます。
なかなか、そんな祝日ってありません。
そんなわけで、海に行ってきました。
海水浴とバーベキューです。

海は不思議です。
海の中には、人間が知らない何かがきっとあります。
だって、地球の70%は海ですもの。
海の真ん中の深い深いところに、石うすがしずんでいて、
海水の塩分濃度を保つために、ガリガリと岩塩をひいているかもしれません。

海の向こうには、誰かが住んでいます。
この途方もない水の、ずっとずーっと向こうにも誰かがいるという感動!
もしかしたら、海底にだって誰かいるのかもしれません。
わたし達が知らないだけで。

そして、海辺でひろう物には、どんな物にもひとつずつの物語があります。
きれいな貝がらにも、波にけずられて宝石のようになったガラスのかけらにも、
流木にも、ビンにも、流木にも。

人は時と場所を越えて、何かでつながっていることを感じさせられる絵本です。
そして、それを繋いでいるのは、海なのかもしれません。

海の日記念に、海の絵本をあと2冊。
『海へさがしに』  <絵本>
デブラ・フレイジャー=作 井上荒野=訳 福音館書店 (対象:低学年~)




切り絵と写真のコラージュ絵本。
海岸で宝物さがしをしたくなります。

『うみべであそぼう』  <ノンフィクション>
なかのひろみ=文 小林安雅=写真 福音館書店 (対象:4歳~)




ヒトデ、ウニ、カニ、ヤドカリ、海辺の生き物を紹介した写真絵本。

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by kangaroo-books | 2009-07-20 21:42 | 【夏によみたい】本棚

コッコさんとあめふり

『コッコさんとあめふり』  
片山健=作・絵 福音館書店




まいにち まいにち 雨ふりです。
コッコさんは、てるてるぼうずをつくりました。
てるてるぼうずにお願いしましたが、雨はやみません。
そこで、コッコさんは、てるてるぼうずの中に手紙を入れます。
それでも、雨はやみません。
そこで・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これ以上書いてしまうと、読む時のたのしみが半減してしまうので、
あらすじは、ここまで。
雨ふりシーズンにこの本のことを書こうと思っていたのに、
梅雨明けしてしまいそうです。でも、せっかくなので。

コッコさんシリーズは、実はなかなか借りられません。
それは、きっとコッコさんのかわいらしさが、わかりにくいからだと思います。
でも、コッコさんはとっても、とってもかわいいのですよ。

表紙のコッコさんは、げじげじまゆげに、おちょぼぐち。それに、無表情。
『ぐりとぐら』や『うさこちゃん』のように、表紙を見てかわいい!とはならないかもしれません。

そう思っている人に、「一度でいいから、試しに読んでみて」と言いたい。
読んでみると、この本の印象がガラっと変わります。
なによりも、コッコさんがかわいくて仕方がなくなるのです。
一生懸命てるてるぼうずを作る姿、雨をながめるがっかりした顔、寝顔。
こんなに子どもらしい子どもが描ける作家は、なかなかいませんよ。

コッコさんが、てるてるぼうずをいたわる様子は、大人にとっては
おもしろおかしい展開なのかもしれません。
でも、コッコさんは大まじめなのです。
小さなコッコさんが、頭をつかってひねり出したアイディアです。
小さな子は、その小さな世界で、精一杯考えて、行動しています。
それに、コッコさんの「あした天気にしてください」という願いは、純粋でまっすぐなのです。
だから、大人はそれを馬鹿にしてはいけないなぁと、コッコさんに教えられます。

最後のページに、広がるピカピカに明るい色、色、色!
コッコさん、よかったねと、思わずぎゅっとハグしたい気分になります。

コッコさんシリーズには、他にも『コッコさんのともだち』『コッコさんのおみせ』
『おやすみなさいコッコさん』『コッコさんのかかし』があります。
現在手に入りませんが『だーれもいない だーれもいない』という素敵な絵本もあります。

★おはなし会で使う時には・・・
 2・3歳~
 わたしは、「あしたてんきにしてください」のところを歌います。
 そうすると、小さな子もあきずに楽しんでくれます。
 ちなみに、写真のてるてるぼうずは、おはなし会の時に子ども達と作ったものです。

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by kangaroo-books | 2009-07-16 19:31 | 【夏によみたい】本棚