カテゴリ:【春によみたい】本棚( 3 )

つくし

わらべうたの「ずくぼんじょ」のことを書いたのは2月末でしたが、
ちょっと見ないうちに、空き地がつくしだらけになっていました。
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今日のおはなし会でも、もちろん「ずくぼんじょ」をやりました。
小さな子たちが、つくしになってにょきにょき伸びるしぐさは本当にかわいい!
午前のおはなし会に参加してくださった親子が、
午後につくしの生えている場所を聞きにいらっしゃいました。
しかも、午前には幼稚園に行っていたお姉ちゃんと、そのお友だち親子も連れて来てくれました。
なんだかうれしくなってしまい、口で説明するだけでは物足りない気がして、
暫しエプロンをはずし、図書館を抜け出し、空き地までご案内してしまいました。
子どもたちが「つくしだ!」「いっぱいあるねー」と摘む姿を見て、ますますうれしくなりました。
現代っ子もつくしを見て、大喜びするのですね。ほっとする光景です。
わたしなんて、大人になった今でも大喜びしてしまいますが。
特に、春いちばんのつくしを見つけた時には誰かに教えずにはいられません。
わたしの田舎では、つくしをいっぱい摘んだら、
おばあちゃんが卵とじにしてくれたけれど、彼らはどうするのかな?
小さな春をおうちに持って帰る、わくわく感を感じてくれていればいいな。
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『つくし』 
甲斐信枝=作 福音館書店

つくし (かがくのとも傑作集)

もうすぐ春だなと感じるころに、にょきにょきと一気に顔を出すつくし。
毎年必ず同じ場所で出くわすと思っていたら、冬の間も土の中でちゃんと生きていたのです。
小さなつくしの赤ちゃんは地面ぎりぎりのところで、しっかりと太って春がくるのをじっと待ちます。
そして、春風が吹くとみんなそろって土から顔を出します。
このつくしたちは、みんな同じ根っこ(地下茎)でつながっているのです。
つまり、つくしの兄弟です。だから、つくしは群生するのですね!

外で見つけた発見、驚きのタネを、絵本を読むことで伸ばすことのできる素敵な絵本です。
地味だからか、図書館では人気があるとは言えないのですが、
たくさんの親子に読んでもらいたいなぁと思います。
足元に小さな不思議がいっぱいあると思うと、お散歩も、幼稚園の行き帰りもたのしくなるでしょ。

わらべうた「ずくぼんじょ」のあそび方はコチラ → 

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 たとえば・・・
 ● うきうきした春の気分にぴったりの絵本は?
 ● ガハハと笑っちゃう絵本は?
 ● 昔読んだ本を探して         などなど 
 
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by kangaroo-books | 2010-03-17 20:43 | 【春によみたい】本棚

みどりのゆび

はじめて函入り、布張りの本を買ってもらったのは、たしか小学校5年生のとき。
ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』でした。
光沢のある臙脂色の表紙は、今まで持っていたどの本とも違って、特別でした。
この本を読んでいるときは、ちょっとだけ大人になったような気がしたものです。

今でも、函入り、布張りの本を見つけるとほしくなってしまいます。
特に、今日紹介する本は、もともと好きなおはなしですし、
わたしの好きな黄緑色の表紙、カラーの挿絵も素敵です。
でも、けっこう値が張るのです。クリスマスにダンナサンタにおねがいしようかなぁ。
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『みどりのゆび』  
モーリス・ドリュリオン=作 ジャクリーヌ・デュエーム=絵
安藤次男=訳 岩波書店 




裕福な家庭に生まれたチトは、みんなにかわいがられ、
何不自由なく育ちました。
やがて8つになったチトは、庭師のムスターシュじいさんから、
みどりのゆびの才能を見出されます。
みどりのゆびを持つ人は、おやゆびを押しつけるだけで、
たちどころに種を目覚めさせ、花を咲かせることができるのです。

チトは、そのみどりのゆびで、刑務所や、貧民街、病院、
動物園など、町のあちらこちらを緑と花でいっぱいにし、
不幸な人々に生きる望みを与えました。
あるとき、町で戦争がささやかれ始めます。
戦争をやめさせたいと強く願うチトは、
父親の経営する兵器工場にもぐりこみました。

 -「花って、災難がおこるのをふせぐんだよ。」  (本文より)


絵を描いているジャクリーヌ・デュエームは、
アンリ・マティスの助手やモデルをつとめたこともあるそうです。
ほんとうに素晴らしい挿絵で、ページを繰りながら、
眺めるだけでも、この本を手もとに置いておく価値があります。

もちろん、おはなしも心にしみます。
あとがきで訳者の安東次男さんが書かれていますが、
フランスの童話はおはなしのきめの細かさ、
詩的な雰囲気やことばのおもしろさが特徴だそうです。
たしかに、日本のおはなしとも、英米のおはなしとも雰囲気が違います。
筋で読ませるというよりも、一瞬一瞬の美しさに
はっとさせられるところは、詩を読んでいるかのようです。
時には、こんなおはなしもおすすめですよ。


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 たとえば・・・
 ● 幼稚園での読み聞かせに向いているクリスマスの絵本は?
 ● 絵本から読み物へのステップになるような本を探している
 ● あたらしい絵本の中からおすすめを教えて!       などなど 
 
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by kangaroo-books | 2009-11-02 19:25 | 【春によみたい】本棚

リディアのガーデニング

わたしの父は、みどりのゆびの持ち主です。
父の手にかかると、どんな植物も、青々として、
美しい花をさかせ、大きな実をつけます。

娘のわたしは、ベランダのタイムと、紫蘇を枯らしてしまいました。
みどりのゆびは遺伝しないようです。
まだまだ、修行が足りません。

今日の絵本の主人公リディアも、みどりのゆびの持ち主。
近所の人たちには、「ガーデニングのリディア」と呼ばれています。
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『リディアのガーデニング』  
サラ・スチュワート=文 デイビッド・スモール=絵
福本友美子=訳 アスラン書房 




ガーデニングが得意な女の子リディアは、家の経済的な事情で、
パン屋を営むジムおじさんの家に預けられることになります。

期待と不安と、重たい荷物とたくさんの花の種を抱えて町にやってきたリディア。
ところが、リディアを出迎えたおじさんは、にこりともしません。

半年が過ぎ、リディアはパン屋の仕事をすっかり覚え、
他の従業員たちともうちとけましたが、おじさんはあいかわらず笑いません。
そこで、りディアはおじさんをにっこりさせるために、すごい計画を思いつきます。
パン屋の屋上を、花でいっぱいにするのです。


この絵本は、リディアが家族に宛てた手紙だけで、物語が進んでいきます。
手紙には、日々の出来事や、まわりの人たちのことが書かれているだけですが、
大切な家族を思いながら、1通1通したためたあたたかい気持ちが伝わってきます。
リディアが家族から受け取った返事は、絵本には出てきませんが、
隅々までのびやかに描かれた絵のおかげで、容易に想像できます。
そう、この絵本、文章も心に響きますが、絵もすばらしいのです。
表紙から裏表紙まで、存分に堪能してください。見開きもお見逃しなく。

結末に向かって、パン屋のあちらこちらに増えていく花々、人々の笑顔。
花も、手紙も、人をにっこりさせますね。

-うれしくてたまりません!
 けさは町じゅうがとびきり美しくみえます。 (本文より)


追記:
“みどりのゆび”という言葉をご存知ない方もいるかと思ったので・・・
英語圏、フランス語圏では、植物を育てるのが上手な人のことを、
「みどりのゆびを持つ」と言います。    
児童書にも、フランスの作家モーリス・ドリュオンの「みどりのゆび」があります。
みどりのゆびを持つチト少年の物語。いいですよ。
岩波少年文庫から出ています。

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by kangaroo-books | 2009-09-06 19:44 | 【春によみたい】本棚