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にほんのいきもの暦

台風ですね。
こんな天気の日には、おちびさんはよく寝ます。
今も気持ちよさそうに、ぐーぐーと。
生き物としては、これがあるべき姿なのでしょうね。
こんな天気では、鳥も、猫も、虫もいませんもの。
どこかに身を隠して、大風大雨の過ぎるのを静かに待っているのでしょう。

それにひきかえ、勤め人のみなさんは大変です。
台風の日くらいみんな一斉にお休みにすればいいのに~(ちょうど土曜日なのだし)
という思いにかられますが、それは呑気すぎる発想でしょうか。
だんなさんのお給金を頼りに生活している身としては、
経済の発展云々が無視できないことは重々承知ですが、
強風に傘を飛ばされたり、電車の運休に長時間足止めをくったりする人々の姿を
テレビで目にするたびに、こんな日に頑張って仕事に出かけるのは
なにか間違っているのでは・・・という思いにかられてしまいます。

にほんのいきもの暦

『にほんのいきもの暦』
財団法人 日本生態系協会
アノニマ・スタジオ


今日紹介する本は児童書ではありませんが、
子どもとお散歩する時に役立ちそうな本です。

二十四節気にそって、自然や生き物たちを紹介。
季節を表す日本語の豊かさ、美しさに、はっとさせられます。

二十四節気では、今は霜降。
読んで字のごとく、霜の降りる頃という意味、
秋の終わり、冬のはじまりを予感する時期です。

こんな時期に台風とは!
天災のたびに「自然が怒っています」などと大騒ぎするテレビは好きではありませんが、
たしかに季節が乱れてきているような気がします。
昔の人々が、美しい名前をつけて、愛でた季節ごとの自然の美しさを、
これから先の世代もずっと楽しめるといいのですが・・・少し不安です。
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by kangaroo-books | 2010-10-30 12:18 | 【野原のたのしみ】の本棚

世界のシェー!!

理論社が倒産したニュース、今日新聞で知りました。
最近、情報が遅いもので・・・今月初旬に再生法申請していたのですね。
いい本が多い出版社だったので、驚きました。

小学生の頃、図書室で出会った灰谷健次郎さんの本や、王さまシリーズ、
『宿題ひきうけ株式会社』や、『ながいながいペンギンの話』
図書館で子ども達によくすすめたのは、『ともだちは海のにおい』
『ドングリ山のやまんばあさん』、星新一のシリーズ。
最近では、新刊を楽しみにしていたよりみちパンセシリーズ。
そういえば、あれもこれも理論社でした。

次の世代の子ども達もこれらの本が楽しめるよう、無事再生してくれることを祈ります。
応援の意味をこめて、最近読んだ理論社の本を紹介します。

世界のシェー (よりみちパン!セ)

『世界のシェー』
平沼正弘=作
理論社


写真家の作者が17年に渡って撮りためた、世界中の人々のシェー!!
そう、もちろんあの「シェー!!」ですよ・・・イヤミがやるあのポーズ。

本からあふれだすのは、笑顔、笑顔、笑顔。
顔だけでなく、心の底から、ポーズをとった指先から足先まで笑っているのでしょう。
ページを繰る度、楽しげな笑い声までも聞こえてきそうです。
貧困や、戦争といったきびしい状況下にある国の人々にも笑顔が浮かびます。

笑いこそが、人々を救い、世界をよりよくしていくはず。
世界中の人々の笑顔を見てともに笑い、本を閉じた時、そんな思いが心に残りました。
元気が出る本です。



上に書いたよりみちパンセシリーズの1冊です。
養老孟司さんの『バカなおとなにならない脳』や、みうらじゅんさんの『正しい保健体育』
しりあがり寿さんの『オヤジ国憲法でいこう!』など興味深いタイトルが並ぶこのシリーズ。
面白くて、知らないことを教えてくれるだけにとどまらず、
自分の頭で考えることの大切さに気付かされる本でもあります。
中学生以上すべての人向けと記されている通り、大人のみなさんにもおすすめです。
きっと頭やわらかくなりますよ。

このシリーズ、出版予定の中にも気になるものがいくつかあります。
拉致被害者の蓮池薫さんの兄の透さん、人類学者の中沢新一さんによる作品など。
再生されれば、引き続き出版されるのでしょうか。ぜひ、読んでみたいです。
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by kangaroo-books | 2010-10-28 15:33 | 【世界の人びと】の本棚

1ねん1くみの1にち

わが家の向かいには小学校があります。
ですから、朝の会の「おはようございます」にはじまり、
休み時間のざわめき、給食時間の「いただきます」、お昼休みのにぎわい、
夕方の「さようなら」まで、子ども達の元気のいい声が毎日聞こえてきます。

特に、ちょうど目の前にある音楽室からは、一日中どこかのクラスの歌声が。
美声、うら声、ときどき音痴・・・だけど、みんな大きくて元気な声!!
ついついつられて歌ってしまうのです。

1ねん1くみの1にち

『1ねん1くみの1にち』
川島敏生=写真・絵
アリス館


おもしろい絵本です!
1年1組の教室の一日を定点観察。

1年生の教室ならではのざわざわっとした雰囲気がつたわってきます。
吹き出しで、子どもたちの会話が書かれているのですが、
そうそう、1年生の会話ってこんな感じだよなぁと笑ってしまいます。
お互い好き勝手しゃべっていて、噛み合っていないんだけど、
それでもちゃんとおしゃべりが成立しているんですよね。ふふふっ

教科書、宿題のプリント、黒板消し、チョーク、鉛筆けずり、ベルマーク入れ、ピアニカ・・・
と、懐かしい物たちが登場する中、目新しい物も。防犯ベルです。
今の子ども達はみんな持っているものなのでしょうか。
こういう時代だから仕方がないなと思う一方、
小学生の頃から用心を欠かせないなんて可哀想に・・・と複雑な気持ちも。
子ども達が安心してのびのびと過ごせる世の中になってほしいものですね。

細々とした物があふれる教室は見どころ満載で、
隅々までよーく見て、じっくりと時間をかけて読みましたが、
とくに時間を費やしたのは、1ヶ月の給食が紹介されているページ。
なんとも美味しそうな給食なんです!ご覧あれ。

かつて1年生だった人と、もうすぐ1年生になる子ども達、
そして今まさに1年生を謳歌している子ども達ならきっと楽しい絵本でしょう。
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by kangaroo-books | 2010-10-21 14:31

やこうれっしゃ

実家に里帰り中です。

こちらへ向かう道中、娘にとっては人生初の新幹線でした。
しかも、今回はわたしとふたりっきりなので、どうなることやら心配していましたが、
アンはかなりの上機嫌で、車内をキョロキョロと見渡して興味津々の様子。
わたしもつられて、キョロキョロとしてしまいました。

席を向かい合わせにして、駅弁を広げる年配の女性のグループ。ガヤガヤ。
仲のよさそうな若いカップル。旅行かしら。
サラリーマンがちらほら。出張ですかね。
大きなリュックを持った初老のご夫婦。山登りかな?
学生さん。里帰りするのかな。
列車の旅がなんだかワクワクするのは、いろいろな人の思いが伝染するからでしょうか。

やこうれっしゃ(こどものとも絵本)

『やこうれっしゃ』
西村繁男=作
福音館書店


上野発、金沢行きの夜行列車。
スキーへ向かう若者、赤ちゃん連れの家族・・・
老若男女いろんな人が乗り込みます。

この絵本も開く度に、ワクワクします。
幼いころ、弟と一緒に読みながら、様々なストーリーを作ったものです。
字のない絵本ですから、想像は無限に広がります。
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by kangaroo-books | 2010-10-18 17:10 | 【のりもの】の本棚

母の友 2010年11月号

母になったのを機に、母の友を購読しはじめました。
今までは図書館で借りて読んで、気になる記事をコピーしてはいたのですが、
充実した内容の雑誌なので、手元にあると何度も読み返すことができて重宝。

特に、毎号の特集記事は、さまざまな分野が取り上げられていて、
親としてだけでなく、人として勉強させてもらっています。
11月号の特集は、「ことばとからだを結ぶうた」
「ことばとからだをめぐって」というテーマで、絵本作家の長谷川摂子さん、
詩人の小池昌代さん、劇作家の別役実さんが対談されています。

母の友 2010年 11月号 [雑誌]

母の友 2010年11月号
福音館書店


ことばとは何でしょう?
本、ケータイ、インターネットといった活字文化がしっかりと根付いている現代では、
「ことば=文字」であり、意味を伝達するものと考えがちです。
でも、文字以前の世界では、「ことば=音」でした。

長谷川さん、小池さん、別役さんは、音としてのことばの魅力について語り合われています。
ことばを意味から解放してやると、ことばは体に響いてくるそうです。



日頃、0歳の娘と一緒に絵本を読んでいるわたしには、とてもよくわかるおはなしでした。
彼女が今好きな絵本は、『がたんごとんがたんごとん』→ 『じゃあじゃあびりびり』
『ととけっこうよがあけた』→ 『ごぶごぶごぼごぼ』 『ころころころ』
どれも、オノマトペや、わらべうたの絵本です。

「がたんごとん」ということばにキャッキャッと声をあげて笑う彼女には、
そのことばが電車の進む音を表しているということは、まだわかっていないでしょう。
ただその力強く、リズミカルなことばそのものが楽しいのです。
まさに、意味から解放されたことばを楽しんでいるわけです。
それは、耳で聞いて楽しいというよりも、その響きを体全体で感じているといった様子。

そして、彼女に読んでやっているわたしもなぜか気持ちがよいのです。
特に、『ごぶごぶごぼごぼ』は、ことばが体にダイレクトに響いているという感じを受けます。
まだ、うちの子には読んでいませんが、『もこもこもこ』もそういう印象を受けます。
それから、谷川俊太郎さんの『ことばあそびうた』→は、声に出して読んでみると、
体が喜んでいるのがよくわかります。小学生の頃、大好きでよく口ずさんだものです。


小さな子どもは誰に教えられずとも、ことばの音の魅力を知っていて、
わらべうたや、オノマトペを楽しむものですが、最近の子どもたちには
その感覚がなくなってきている気がすると、お三方は警鐘をならされています。
そして、声に出して読むことに立ち戻ってみましょうと、締められていました。
「からだが弾むことばを読もう」と、本の紹介もされています。
宮沢賢治、中原中也、萩原朔太郎、アイヌのうた、方言の絵本など
読んでみたい本がたくさん挙げられていました。もちろん音読!



この対談を読んで、日本語の豊かさにあらためて気づかされました。
娘が意味の世界へ歩みだす前に、たっぷりと音としてのことばを楽しみたいと思います。



11月号の他の記事は、『さむがりやのサンタ』の作者レイモンド・ブリッグズさんのアトリエ探訪、
年に一度の特別企画「こどもに聞かせる一日一話」等、充実の内容です。
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by kangaroo-books | 2010-10-15 15:14 | 【子どもと絵本を知る】本棚

マグナス・マクシマス、なんでもはかります

この不思議なタイトル。なんでもはかります・・・???
そういえば娘が生まれて間もない頃は、測ったり、数えたりで忙しかったものです。
体重、おっぱいを飲んだ量、授乳の間隔、うんちとおしっこの回数、睡眠時間・・・
まさに、なんでもはかります状態!
手帖には、ちまちまとした数字がたくさん並びました。
でも、ずぼらなわたしには1ヶ月が限界でした。
測ること、数えること、記録することが面倒くさくなってしまったのです。
数字を見るよりも、この子をちゃんと見よう、そう思ったら急に気が楽になりました。

おなかにいる時から「小さい、小さい」と言われて、標準曲線とにらめっこし、
生まれてからは体重をはかるたびに、まわりの子と比べて一喜一憂していました。
きっとそれはわたしにとっても、子どもにとってもストレスだったのだと思います。
よく考えてみれば、生まれる前から標準であることを求められているだなんてうんざり。
これからも成長過程で、平均身長だの、平均点だの、偏差値だの・・・
標準(もしくはそれ以上)を目指しましょうと迫られる場面がたくさんあるのでしょうね。
でも標準なんて関係ないよ。あなたはあなた。
そう言えるどっしり構えた母ちゃんでありたいものです。

でも、時には測ることも大事。
娘は昨日で4ヶ月。6kg、生まれた時のちょうど3倍になりました。


さて、話がそれてしまいました。
不思議で、気になるタイトルの本に戻りましょう。

マグナス・マクシマス、なんでもはかります

『マグナス・マクシマス、なんでもはかります』
キャスリーン・T・ベリー=文
S.D.シンドラー=絵
福本友美子=訳
光村教育図書


マグナス・マクシマスはものを測ることに魅せられたおじいさん。
なんでも測ります。なんでも数えます。
そして数を書き入れた紙をペタリと名札みたいに貼りつけます。
「これはこれ。あれはあれ。だれがだれ。長いものは長い。短いものは短い」
一日中いろんなものを測っているマグナスは町の人たちの人気者。
「マグナス・マクシマスにはからせれば、まちがいない!」みんなは言いました。


マグナスじいさんがご近所さんだったら助かるだろうなぁ。
お菓子の材料を量るの手伝って!
部屋の広さにちょうどいい家具の大きさは?
この子にぴったりな服は60cm?それとも70cm?
いろいろ相談にのってもらうことでしょう。
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by kangaroo-books | 2010-10-08 17:03 | 【夢中熱中】の本棚

9月の読書メモ

9月の読書メーター
読んだ本の数:16冊
読んだページ数:2354ページ

ku:nel (クウネル) 2010年 11月号 [雑誌]ku:nel (クウネル) 2010年 11月号 [雑誌]
ミタケボタン行ってみたい!
読了日:09月30日 著者:
太陽の戦士 (岩波少年文庫(570))太陽の戦士 (岩波少年文庫(570))
(再読)サトクリフが読みたくなって久々に再読。何度読んでも、ドレムの成長にじっくりと付き合うのは実に疲れる。サトクリフは読者を疲れさせるほどに、ひとりの少年の成長を描ききっているのだ。すごい!
読了日:09月30日 著者:ローズマリ・サトクリフ
月刊 クーヨン 2010年 09月号 [雑誌]月刊 クーヨン 2010年 09月号 [雑誌]
読了日:09月28日 著者:
まんげつのよるまでまちなさいまんげつのよるまでまちなさい
(再読)十五夜に読みました。絵も、物語も、訳文も、雰囲気も、色合いもだいすきな絵本。松岡享子さんによるあとがきもいいです。
読了日:09月22日 著者:マーガレット・ワイズ・ブラウン
八月の暑さのなかで――ホラー短編集 (岩波少年文庫)八月の暑さのなかで――ホラー短編集 (岩波少年文庫)
やっぱりホラーは短編にかぎる!長いと怖いのに堪えられないか、怖いのに慣れちゃって何が怖いのかわかんなくなっちゃうかどっちかだから。どのお話もあじわい深くて甲乙つけ難いけれど、一番を選ぶとしたら「ブライトンへいく途中で」かな。「ハリー」も切なくてよかったな。
読了日:09月22日 著者:
海の島―ステフィとネッリの物語海の島―ステフィとネッリの物語
日常の些細なことに傷ついたり、喜んだりするステフィとネッリの様子が(特にネッリが)とても子どもらしいだけに、彼女たちの境遇を思うと胸がつまる。戦争のせいで親と離れなくてはならなかった子どもがいたこと、今もいることを忘れてはならないと思う。
読了日:09月17日 著者:アニカ トール
フランシスとたんじょうびフランシスとたんじょうび
(再読)フランシスは小さい頃の自分と重なって、なんだか恥ずかしいような、懐かしいような、こそばゆい気持ちになる。
読了日:09月16日 著者:ラッセル・ホーバン
ホネホネすいぞくかんホネホネすいぞくかん
ホネホネシリーズだいすき!魚の骨ってごはんの時に見慣れているから面白くないんじゃないのなんて思っていたけれど、またまた隅から隅まで面白かった!ホネって美しい。
読了日:09月16日 著者:松田 素子
ピーティ (鈴木出版の海外児童文学―この地球を生きる子どもたち)ピーティ (鈴木出版の海外児童文学―この地球を生きる子どもたち)
久しぶりに涙で読み進められなくなってしまった本。ピーティの長い人生から、わたしはとても大切なことを学んだように思う。与えられた自分の人生を生ききること、それってなんてすごいことなのだろう。
読了日:09月15日 著者:ベン マイケルセン
ガラガラヘビの味――アメリカ子ども詩集 (岩波少年文庫)ガラガラヘビの味――アメリカ子ども詩集 (岩波少年文庫)
ディキンスンの「秋の朝」がすき。美しい絵画のような詩だと思う。
読了日:09月15日 著者:
ならいごとノートならいごとノート
読了日:09月15日 著者:伊藤 まさこ
モーツァルトはおことわりモーツァルトはおことわり
「アンネの日記」にはじまり、ユダヤ人迫害に関する本はたくさん読んできたけれど、どれも読みながら胸がしめつけられるような心地になる。美しいモーツァルトの曲を、こんな残酷な形で使った歴史があることが衝撃的だった。
読了日:09月12日 著者:マイケル モーパーコ
おっぱいとごはん (春秋暮らしのライブラリー)おっぱいとごはん (春秋暮らしのライブラリー)
読了日:09月12日 著者:竹中 恭子
引き出しの中の家 (ノベルズ・エクスプレス)引き出しの中の家 (ノベルズ・エクスプレス)
小さいもの好きにはたまらない!装丁も、装画も素敵で、おはなしだけでなく本自体も丁寧に作られていることを感じた。でも、他の人の感想にもあったけれど、もうひとつ物足りない感が残るのはなぜだろう。
読了日:09月12日 著者:朽木 祥
12月くんの友だちめぐり12月くんの友だちめぐり
新装版で復刊。うれしい!
読了日:09月12日 著者:ミーシャ ダミヤン
牛をかぶったカメラマン―キーアトン兄弟の物語牛をかぶったカメラマン―キーアトン兄弟の物語
好きなことをとことんやれば、おのずと道は開かれる。中学年くらいから楽しめるけれど、将来のことを真面目に考え始める中高生にもおすすめしたい。翻訳物ではこういった伝記絵本が豊富だが(しかもいいものが!)、国内の作品ではなかなかないのが不満。ボンドの絵がいい。
読了日:09月11日 著者:レベッカ ボンド

読書メーター

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by kangaroo-books | 2010-10-08 14:24 | -読書メモ

ピーティ

久しぶりに涙で読み進められなくなってしまった本。
やっと読み終わりました。

ピーティ (鈴木出版の海外児童文学―この地球を生きる子どもたち)

『ピーティ』
ベン・マイケルセン=作
千葉茂樹=訳
鈴木出版


子どもと夫が寝静まってから、鼻をぐずぐずいわせながらピーティの人生に寄り添ってきた数日。
ピーティの長い人生から、わたしはとても大切なことを学んだように思う。


時は1920年
アメリカ、モンタナ州にひとりの男の子が生を受けました。
奇妙にねじれた体、表情のない顔、ゆがんだくちびる。
彼の名はピーティ。
2年間両親のもとで育てられたピーティは、精神病患者収容施設に預けられることとなります。
母親からピーティを受け取った保健師はこうささやきます。
「あなたにはつらい人生が待っているんでしょうね。
でも、そんなことを考える力がないのは幸せかもしれないわね」

そうではなかったのです。
ピーティは、そのうつろな表情の奥で、考え、感じていました。
そして、それを伝えたくて仕方がなかったのです。
ピーティの障害は、脳性まひです。
1900年代の初頭はまだ脳性まひについて、よくわかっておらず、
脳性まひ者は知的障害があると考えられていたのです。
その誤解が、ピーティの人生の障害となります。
人生のほとんどの時間を施設で過ごすことになってしまったピーティ。
けれども、ピーティは自分の人生を喜びにあふれたものに変えていきます。
辛い涙の後に、爽やかであたたかい涙を流しながら読みました。


さて、わたしがピーティに学んだことはなんだろう。
人生はすばらしい!言葉にしてしまうと、なんて陳腐なと思ってしまう。
でも、そういうことなのだ。
与えられた自分の人生を生ききること、それってなんてすごいことなのだろう。
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by kangaroo-books | 2010-10-06 19:39 | 【ある人生】の本棚