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ぼくのブック・ウーマン

先日、古巣の図書館で【はじめての絵本講座】のお仕事をしてきました。
集まったのは0歳の赤ちゃんとお父さん、お母さん。
おめめをぱっちりと開いて絵本を見る赤ちゃんの姿に
目を細めるお父さん、お母さん。なんとも微笑ましい場面です。

おちびちゃんたちは、本の世界の扉を開いたばかり。
本の世界はエキサイティングです。
たのしいことも、悲しいことも、おもしろいことも、びっくりすることもあります。
本の中で一生の友だちに出会えるかもしれません。
1冊の本が人生を変えるかもしれません。
司書の仕事は、子どもたちをそんなすてきな本の世界へ案内すること。
この仕事の魅力と、やり甲斐を再認識した一日でした。

ぼくのブック・ウーマン

『ぼくのブック・ウーマン』
ヘザー・ヘンソン=文
デイビッド・スモール=絵
藤原宏之=訳
さ・え・ら書房


険しい山のてっぺん住むカルは、学校に行けないので字がよめません。
ある日、馬にまたがった女の人が一日がかりで山をのぼってきました。
女の人が持ってきたものは、たくさんの本。
「この本に、お金はいりません。空気みたいにただなんです」
そう言って本を置いていった女の人は、それから2週間毎に
雨の日も、霧の日も、寒い日も、吹雪の日もやってきて、
その度に本を取り替えていきました。
にわとりのひっかいたあとみたいな文字の書かれている本なんて
くだらないと思っていたカルでしたが、女の人が危険をかえりみず
通ってくるわけをどうしても知りたくなり、本を手に取ります。

この物語は、実話をもとに作られたのだそうです。
子どもと本をつなぐ仕事に誇りを持ち、
険しい道のりを行き来した先達たちに、頭が下がります。


版元のさ・え・ら書房は、いい本が多くて新刊に注目している出版社ですが、
今年は特に出すもの、出すものハズレがありません。
『トマスと図書館のおねえさん』、『サリーの帰る家』
『図書館ラクダがやってくる』→
テーマが「本」の本が多いのは、国民読書年だからでしょうか。
次に何が出版されるのか、気になります。




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by kangaroo-books | 2010-09-02 16:02 | 【本がすき!】の本棚


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