『頭のうちどころが悪かった熊の話』
安東みきえ=作 下和田サチヨ=絵 理論社
記憶をなくして奥さんをさがす熊。
キツネを食べたことを、後悔するトラ。
シラサギと友だちになりたいカラス。
どこか抜けてる動物たちがおりなす、七つのお話。
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みんな、やさしくて、自分の頭をつかって考えることをおしまなくて、
まじめで、きちんと生きているんだけど、すっとぼけていて、愛らしいのです。
こういう本を、「こんな本ですよ」と文章で語るのは、ヤボですね。
読んでる最中くすくす笑えて、たまにふーんとうなって、
読んだ後、もわもわっと幸せな気持ちが残りました。
本を読んだ後の、そんな気持ちってふしぎです。
その本から何を得たかとか、内容が役に立つかとか、
いい本だったかなんて、本当はどうでもいいんです。
本を読むことの一番の醍醐味は、言葉にできないその時の気持ちです。