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手で食べる?

『手で食べる?』  
森枝卓士=文・写真 福音館書店 




わたしたち日本人は、はしを使って食事をします。
たまには、フォークとナイフ、スプーンを使って食べることもありますね。
世界には、はしやフォークを使わずに、手で食べる人たちがいます。
手で食べる人たちは、口で味わうだけでなく、手でも味わいます。
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わたしは、マレーシアに行った時に、“手で食べる”に挑戦したことがあります。
鶏肉とごはんをまぜ合わせて食べるチキンライスという、
中国から伝わりマレーシア風にアレンジされた料理を食べました。
まずは、ほんのりと温かいごはんの温度が指先から伝わります。
プルンとした鶏肉の脂、日本のものよりもコシのあるごはんのパラパラとした感じ、
付け合せのきゅうりのざらりとした表面。
指先がたくさんの感触を感じます。

そして、温かくてやわらかいわたしの指が、ごはんや肉をわたしの口にはこびます。
ひんやりとして、かたいステンレスのスプーンで食べるよりも、味がまろやかな気がします。
手で食べることの新鮮さ、そしてチキンライスのおいしさに夢中になって食べていたら、
手と袖口は、肉の脂とソースでベタベタになっていました。
そう、手で食べるのは、簡単そうに思えるけれど、意外に難しいのです。

指先だけを使って食べるのが、マナーなのだそうです。
わたしの場合は、マナーを守って食べることはできませんでしたが、
手で味わうことはできた気がします。

手で食べる、はしで食べる、フォークとナイフで食べる。
食べる方法は違っても、食べるよろこびや、誰かと一緒に食べる幸福感は同じです。

自分とは違う文化を持つ人がいるということを知ること、興味を持つこと。
そして、違いを認めながらも、本質は同じなのだと知ることが大切なのだと思います。
外国のことに興味がでてきた子に、手渡したい本です。

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by kangaroo-books | 2009-07-25 18:21 | 【世界の人びと】の本棚


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