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リディアのガーデニング

わたしの父は、みどりのゆびの持ち主です。
父の手にかかると、どんな植物も、青々として、
美しい花をさかせ、大きな実をつけます。

娘のわたしは、ベランダのタイムと、紫蘇を枯らしてしまいました。
みどりのゆびは遺伝しないようです。
まだまだ、修行が足りません。

今日の絵本の主人公リディアも、みどりのゆびの持ち主。
近所の人たちには、「ガーデニングのリディア」と呼ばれています。
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『リディアのガーデニング』  
サラ・スチュワート=文 デイビッド・スモール=絵
福本友美子=訳 アスラン書房 




ガーデニングが得意な女の子リディアは、家の経済的な事情で、
パン屋を営むジムおじさんの家に預けられることになります。

期待と不安と、重たい荷物とたくさんの花の種を抱えて町にやってきたリディア。
ところが、リディアを出迎えたおじさんは、にこりともしません。

半年が過ぎ、リディアはパン屋の仕事をすっかり覚え、
他の従業員たちともうちとけましたが、おじさんはあいかわらず笑いません。
そこで、りディアはおじさんをにっこりさせるために、すごい計画を思いつきます。
パン屋の屋上を、花でいっぱいにするのです。


この絵本は、リディアが家族に宛てた手紙だけで、物語が進んでいきます。
手紙には、日々の出来事や、まわりの人たちのことが書かれているだけですが、
大切な家族を思いながら、1通1通したためたあたたかい気持ちが伝わってきます。
リディアが家族から受け取った返事は、絵本には出てきませんが、
隅々までのびやかに描かれた絵のおかげで、容易に想像できます。
そう、この絵本、文章も心に響きますが、絵もすばらしいのです。
表紙から裏表紙まで、存分に堪能してください。見開きもお見逃しなく。

結末に向かって、パン屋のあちらこちらに増えていく花々、人々の笑顔。
花も、手紙も、人をにっこりさせますね。

-うれしくてたまりません!
 けさは町じゅうがとびきり美しくみえます。 (本文より)


追記:
“みどりのゆび”という言葉をご存知ない方もいるかと思ったので・・・
英語圏、フランス語圏では、植物を育てるのが上手な人のことを、
「みどりのゆびを持つ」と言います。    
児童書にも、フランスの作家モーリス・ドリュオンの「みどりのゆび」があります。
みどりのゆびを持つチト少年の物語。いいですよ。
岩波少年文庫から出ています。

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by kangaroo-books | 2009-09-06 19:44 | 【春によみたい】本棚


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